宇野 朴人(著)
大英魔法国にある名門のキンバリー魔法学校。
ここは世界中から魔法の素質がある少年少女がやってくる。
魔法名家の者、普通人枠からの入学、そして異国地、東方(エイジア)から来る者あり。
4月になり、キンバリーは入学式を迎える。
近代の戦闘は魔法のみならず、近接戦闘にて剣を使うのが過去の事例によりセオリーとなっており、キンバリーはまさに現代の魔法使いを育成する場所である。
だが、ここは魔法学校、7年生の学校で卒業するまでに2割の生徒は死に至る...
それだけ過酷な世界なのだ。
この日、キンバリーに入学したオリバー・ホーン。
入学早々にトラブルに巻きこまれてしまうが、彼の周りには5人の新入生が集まっていた。
その中でも一際異彩を放つ少女、東方より来たサムライ、ヒビヤナナオ。
彼女は数多の死地を戦ってきた少女だった。
目の前に死が訪れようとした、まさにその瞬間に魔法使いに救われ、この地へやって来たのだ。
多種多様な者が集うキンバリー。
ここは多くの脅威が犇めいていた。
敵意を向ける同級生、教師、上級生... 魔法生物を巡っての対立、そしてオリバーの命をかけた使命...
これは魔剣を巡る物語である。
このラノベ1位は伊達ではない。
学園魔法ファンタジーといえば、まずハリーポッターが思い浮かぶが、この作品は魔法ものファンタジーの定番はしっかりと残しつつ、登場人物の設定、者ガラリや人間ドラマが織りなす群像劇は素晴らしい。
狂気に満ち溢れた学校、魔法使いとしての生死を問う摸写。
魔法及び剣による戦闘も細かく描かれていて、作品の境にのめりこむように読み進めてしまった。
終盤にはオリバーの過去が少し明かされ、それが冒頭のシーンへと繋がっていて、続きがとても楽しみになる作品である。