暁 佳奈(著)
とある王国では近隣諸国の王家と婚姻し、政治問題を解決していた。
その中で伝統となっている公開恋文を作成するため、C・H郵便社の自動手記人形バイオレット・エバーガーデンは王国を訪れていた。
本来であれば国民を喜ばせるためだけの愛や情熱を語るものだったが、バイオレットによって本当の恋文をやり取りするようになり、逆に国民の歓喜を誘う。
他にもバイオレットは行く先々において人の心を動かしていく。
そのバイオレットの同僚であり、C・H郵便社創立時からのメンバーであるベネディクトとカトレア。
ポストマンを務めるベネディクトもかつてホッジンズに命を救われていた。
過去に記憶を失い、傭兵として生きてきた彼に唯一残るのは、自分に妹がいると言う記憶だけだった。
また、カトレアは結婚を前提に交際を申し込まれるが、彼女の中ではベネディクトと言う存在が大きくあった。
そんなC・H郵便社の面々だが、彼らをよく思わないものも存在していた。
どこでも届けると言うサービスと品質でC・H郵便社は人気となり、恨みを買った同じ地区の同業者に襲撃されてしまい、ホッジンズはさらわれてしまう。
バイオレットたちは危険をかえりみず、社長を救出のため敵陣へと乗り込んでいくのであった…
シリーズ第3弾。
外伝と言うことで、その名の通り、ギルベルトと再会した後のバイオレットを描くとともに、その周囲のものにスポットライトを当てた今作となっている。
ベネディクトの過去とホッジンズとの出会い、カトレアとベネディクトの恋、ギルベルトとホッジンズが出会い、友人となるまで。
そしてバイオレットとギルベルトの恋を描いている。
多くの人と出会い、言葉や感情を知り、少しずつ愛を理解していくバイオレットはもちろんのこと、その周囲の者の人生と言う物語も、また繊細であり、感動してしまう事は間違いないだろう。