西尾維新
主人公阿良々木 暦(あららぎ こよみ)が大学生となった日々を描くモンスターシーズンの幕開けである。
収録作はしのぶマスタード。
今作の主な登場人物は阿良々木 暦(あららぎ こよみ)、忍野 忍(おしの しのぶ)、臥煙 伊豆湖(がえん いずこ)、デストピア・ヴィルトゥオーゾ・スーサイドマスター、ETC.
暦はこの春、国立曲直瀬大学に入学した。
阿良々木暦の母校である直江津高校の女子生徒が次々と失踪する事件が発生する。
奇妙なことに失踪した女子生徒はミイラ化した状態で発見されるが、いずれも女子バスケットボール部に所属する生徒だった。
ミイラ化した生徒の首元には暦がよく知る傷跡が残っていた。
そう、吸血鬼日を吸血された後が... 事件の裏に見え隠れする吸血鬼の存在。
臥煙伊豆湖に呼び出された暦は事件解決へ動き出すのだった。
今作より大学生になった阿良々木さん。
高校時代より大人になった姿が垣間見えるが、そこはやはりこの男。
八九寺との絶妙なやりとりや、神原後輩との変態的な会話は健在である。
また大学生になった阿良々木さんに新しい友達(怪異絡みではない)の食飼命日子(はむかい めにこ)と言う友達ができるのだが、直江津高の生徒といい、特徴的すぎるネーミングはいかにも西尾さんらしい。
他にも物語シリーズ以外の、キャラの名前(伝説シリーズの地濃鑿(ちのう・のみ)とか)が出てきたりと、他のシリーズも読んでいる人は、思わず顔がにやけてしまうようなシーンもあり、そして相変わらずの言葉遊びの上手さはさすがである。
この先のシリーズも大いに楽しみである。