河野 裕(著)
咲良田は管理局室長、浦地の計画により、能力の存在しない街へと変えられた。
誰も能力の記憶は残っていない。
ただ一人、ケイを除いて...
能力のある世界と偽リの世界の記憶がケイの頭を巡りまわる。
浦地はリセットを使わせないよう、春埼の時間をケイと出会う前までに巻き戻す。
ケイは咲良田に能力を取り戻す為に行動を起こす。
そこで偶然、自分が捨てた母と出会う。
自分の愚かさに気付いたケイは能力を取り戻し、やり直すために春埼の元へ向かう。
ケイの目的、それは能力ある世界でできるだけ多くの人が幸せでいられる事、それが望みであった。
敵対するような関係である管理局の人も含めてすべての人が幸せであってほしい...
正しさとは何か、サクラダリセット完結編である。
特殊な能力者が集い、その能力にまつわる人々を描いたサクラダリセット。
未来視能力や時を巻き戻す能力、やり直す能力等、強力すぎる能力ばかりが登場する作品だが、普通ならそんな能力があれば多くは悪用するのが人間というものだろう。
だがこの作品は能力を巡っての駆け引きややり取りはあるが、あくまで能力により一層良い世界を、少しでも幸せになるようにと描かれている。
つまりこの作品はとても優しい物語である。