その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-017僕らは今の中で⑤(127)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-017僕らは今の中で⑤(127)

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-017僕らは今の中で⑤(127)
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ラブライブ! 2nd Season

ラブライブ! 2nd Season Blu-Rayより

海未の弓道大会の翌日。

この日も気持ちの良い快晴で、いよいよ夏本番といった日差しである。

今日は日曜日であったが、音乃木坂のスクールアイドル部部室にはμ‘sの9人が集まっていた。 ラ

ブライブアキバドーム大会までの間、理事長は教師の理解、協力の上、μ‘sとして音乃木坂で練習させてもらえることになっていたのだ。

わずかな期間であるが、OGの3人も音乃木坂に、こうして9人で練習できるのは、まるで時間が遡ったかのように、μ‘sとしてみんなで毎日活動していた1年前のようで、嬉しい9人であった。

そして部室には、前日の弓道大会で惜しくも2位と言う結果に終わり、弓道部を引退した海未のいつもと変わらぬ元気な姿があった。

海未は同室に入ると、皆へ改めて感謝の言葉を伝えた。

「皆さん、昨日は応援に来ていただいてありがとうございました。

私としては残念な結果となってしまいましたが、後悔はありません。全力でやった結果ですので。

これで残りの高校生活はスクールアイドルに専念することができますので、μ‘sのファイナルライブまであと少し、残り時間も全力で楽しみましょう!」

海未は頑張ろうではなく楽しもうと言った。

それは何もスクールアイドルに限ったことではない。

学校生活や部活動もそう、何事も楽しむこと。

そうすれば絶対に忘れることのない大切な財産になる。

そういう思いを込めての海未の言葉に全員がうなずいていた。

それからしばらく談笑する9人。

気づいたがおしゃべりしてばかりで全然練習をしていない。

でも仲の良い9人が集まると、それも仕方ないのかもしれない。

そしてようやく花陽が、スクールアイドル部部長として重い腰を上げて皆に声をかける。

「さて…それじゃあぁみんなこっちに注目だよ。ジャジャーン!ファイナルライブまでの予定表を作ってきました!」

と言って花陽はホワイトボードへ予定表を貼り出した。

そこにはびっしりとアキバドーム大会までの予定が書き込まれていた。

だが気になるのは所々にある空欄だろう。

花陽は予定表の説明を始める。

「まず、今日については日曜日だし、午前中で練習は終わりね。ていうか全然練習してないけど…おしゃべりしかしてないような気もするけど…まぁそんな感じで。

そして夏休みに入ったら、練習は毎日午前中のみとします。これは無理して疲れを残さないようにして万全の体調で本番に挑むためだよ。

また夏休みになったら今回も真姫ちゃんが別荘を提供してくれるから、直前に三日間の合宿をやります。

そして前日は完全にオフにして、体調を整えて7月31日の本番に挑みたいと思います!」

力強く語った花陽に対し、なぜか自然と拍手が起こっていた。

練習内容についてもしっかりと考えられており、さすがは部長といったところである。

「ねぇ、花陽ちゃん、1つ気になったんだけどそこの空欄になっているところは何?」 

そう尋ねたのは穂乃果である。

穂乃果の言う通りびっしりと書かれた予定表の中にある空欄は目立っている。

「ほ…穂乃果ちゃんは、いいところに気づきましたね。なかなかの洞察力です。褒めてあげましょう」

「えーっと、うん、うん、ありがとう…」質問したのに答えが返ってこない…

これはモードに入ったなと思う8人だった。

「そうなのです。これは私たちμ‘sの集大成と言って良いでしょう。μ

‘sファイナルライブ…約40,000の観衆の前で行うライブは、これまでのどのライブよりも規模は大きいのです。

ここに至るまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。高い山があり、そして他にもあり、様々な困難がありました。しかしですね。」

花陽の演説は続く喋りが敬語になっているし話は長いし、完全にアイドルモードの花陽である。そこへ真姫が話を遮るように花陽に言う。

「で、結局その空欄は何なのよ!」

花陽は驚くような表情をして真姫に言う。

「真姫ちゃん!まだ私の話の途中じゃないですか。カットインしないでくださいよ!」

あー面倒くさいと心の中で人思う真姫。

「その前に穂乃果が質問したじゃないの。カットインしているのは花陽でしょ。いいから早く説明しなさいよ!」

「もう…真姫ちゃんは怖いなぁ…わかりましたよ…」

不承不承といった感じで花陽は説明する。

「えっとですね。この空欄につきましては私からの提案なんですが、大会前にまたみんなで遊びたいなーっと。なのでどこかみんなで行きませんか?」 

その言葉に最初に反応したのはやはり穂乃果だった。

「いいねぇ、うん、遊びに行こうよ!どこに行く?やっぱ夏だし海かなぁ?ねぇねぇ!」

ノリノリの穂乃果に珍しく海未も乗ってくる。

「私は山に行きたいです。みんなでキャンプしましょう」山ガールの海未に続いて凛も言う。

「隣は遊園地行きたいにゃー」

さらに希も。「家は夏フェス行きたいなぁ。サマソニにロックインジャパンに…」

いつもどおりバラバラの9人、そこへ、ことりが真姫に尋ねる。

「ねー真姫ちゃん、今度の合宿はどこでやるの?海?山?夏だから海の近くの別荘がいいかなって思っているよ」と言う真姫。

しかし西木野家に海の近くの別荘と言うのはたくさんあり、どこかは真姫にしかわからない。

それはそうとライブまでの予定については花陽の考えに対し、皆が納得していた。

だが、9人で遊びに行くとなると、話は毎度のこと、全然まとまらない。

海、山、川、遊園地、美術館、ミュージカル、夏フェス、、、それぞれが行きたい場所、したいことを言うだけであり、決まる気配は全くない。

こんな時に頼りになるのは1人しかいない。絵里が真姫に言う。

「真姫お願い、なんとかして!」

「えっ…私…!全くもう、しょうがないわね…」

突然のむちゃぶりだったが、嫌がることもなく引き受ける真姫。

さすが西木野家のお嬢様である。

「私がいないと何も決められないの?まぁいいわ、何か考えてみるね」

そう言って真姫は手配してくれたのである。

口では憎まれ口を叩いたりもするが、それでもなんだかんだと言いつつもみんなに頼られると嬉しい真姫であった。

続く

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