その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-021青い空に夏の匂いを②(158)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-021青い空に夏の匂いを②(158)

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-021青い空に夏の匂いを②(158)
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ラブライブ! 2nd Season

ラブライブ! 2nd Season Blu-Rayより

海未の言葉を全員が息を飲み込みながら待ち構える。

「もう一つの条件…それは…次のラブライブで優勝することだそうです!」

その瞬間、全員が笑顔になった。

海未のご両親もまた、スクールアイドルとして活躍する娘をその友人たちを応援してくれているのだ。

Μ‘sもそうだったように、μ‘sicforeverも多くの人に支えられていることに違いは無い。

「 よかったね。明日から海ちゃんの家でお世話になります」

ことりが可愛らしい笑顔で言った。

さらに部長の花陽が言う。

「海未ちゃんありがとう。では明日から朝5時に神田明神に集合して、いつもの朝練を行い、その後は海未ちゃんの家で練習って感じでいいかな?」

花陽の言葉にもちろん反対する者がいない。

真姫がやや不安を覚えてはいるが、まぁ大丈夫であろう。

こうして6人は夏休みの間、園田家の武道場にて練習することになったのである。

そして翌日…早朝の5時を回った神田明神には、眠い目をこすりながら6人全員集合…していなかった。

やはりというか案の定というか3人しかいない。

いるのは海未。海未、ことり、花陽である。

誰かしら寝坊するだろうと予想はしていたものの、半分しか集まっていないとは鬼軍曹の異名を持つ海未ですら想像以上であった。

そこへ息を切らしながら1人やってきた。

「は…はー…間に合った…」 慌てて走ってきたのだろう、息を切らしながら言ったのは真姫だ。

ちなみに時刻は55分。遅刻である。

「真姫ちゃんおはよう」ことりの言葉に真姫も返す。

「みんなおはよう…ねぇ…人数足りてないじゃない…私が遅刻しまいと必死に走ってきたのに、うちの馬鹿2人はどうしたのよ!」

何度も言うが真姫も間に合っていない。遅刻である。

「凛ちゃんからメールきたよ。今から向かうって」 花陽が言った。

さらにことりが言う。 「穂乃果ちゃんは…メール、既読つかないし電話も出ないし…多分爆睡してるんだと思う…」

「なんで穂乃果は合宿の時に限って、馬鹿みたいに早起きするくせに、普段はこうなのかしらねぇ…」

不思議そうに真姫がつぶやく。 それに海未が答える。

「合宿はきっと遠足感覚なのでしょう...」

「しょうがない、4人でしましょう…」

そう真姫はいい、4人で朝練を開始する。 朝練のメニューは神田明神の周りをランニング、男坂ダッシュ、筋トレにストレッチと言うμ‘sが結成以来変わらずに続けているものである。

4人に遅れること10分、凛が申し訳なさそうに合流した。

だが結局、穂乃果は来ないまま、時刻は6時を回り朝練を置いた5人であった。

神田明神を後にし、海未の家に向かう5人。

街はすでに夏の強烈な日差しが照りつけ始めていた。

道中、5人は穂乃果の家に寄ってみると、穗村の前で店舗周辺を掃除する穂乃果の母の姿があった。

(海未と穂乃果の家は近い、徒歩3分ほどの距離)海未が穂乃果の母に挨拶する。

「おば様、おはようございます」

「あれ、海未ちゃん、それにみんなもおはよう。こんな早朝にどうしたの…て嫌な予感…」

穂乃果の母は5人の姿を見て全て悟ったらしい。

“ごめん、ちょっと待ってて“と言い、慌てて家に戻り穂乃果のことを起こしに行ったのだ。

その大声は2階の穂乃果の部屋から漏れ聞こえてくる位だった。

しばらくして眠そうな顔をした穂乃果がやってきた。

「ごめんみんな…起きれなかった…」と謝るものの、まだ半分寝ているかのような穂乃果だった。

フラフラしていて、放って置くと寝てしまいそうな穂乃果に海未が言う。

「はぁー…穂乃果らしいと言えばらしいですね…ほら、ジャケットしてください。私の家で練習しますよ!」

穂乃果を迎えに来てようやくの事6人が揃う。

そしてそのまま徒歩3分、園田家へと到着した。

この辺一帯の地域は昔からの風景が残っており、建物の雰囲気も都会の街中とは思えない、歴史を感じるものが多い。

海未の家もまた然りで、家と言うより屋敷といった様相である。

立派な門構えで、敷地も相当に広い。

さすがは日舞、園田流の家元と言うだけの事はある。

海未の家の広さに初めて訪れた2年生の3人は驚いていた。

医者の娘の真姫でさえもである。

「うわぁ、海未ちゃんの家ひろいにゃー」

「凄いね、武道場に舞踊場もあるんでしょ?」

感嘆の声をあげる凛と花陽。 真姫も言う。

「立派な日本屋敷ねぇ、私の家より大きいんじゃないの…」

そんな3人であるが、海未はみなを武道場へと案内する。

ついた場所は弓道場も併設されている道場であり、これまた立派なものだった。

道場の入り口で真姫は足を止め皆へ言う。

「皆さん、ここで一礼をしてから武道場に入ってください。もちろん出る時も同様です」

全員海未の指示に頷き、海未の姿を真似るように一礼をし道場へと足を踏み入れる。

美しい木材で磨かれた床は塵1つなく、清掃が行き届いている。

海未の家とは言え、道場独特の雰囲気に少し硬くなる5人であった。

「そんなに固くならないでください。挨拶以外はいつも通りで構いませんので。それでは皆さん、こちらに並んで正座で座ってください」

海未と向き合うようにして5人は正座する。

海未は師範代が座るであろう場所に座り、5人を見つめる。

そして正面を向き、そのまま礼をする。5人もそれを見習うように礼をする。

再度海未は5人と向き合う。

「それでは本日の練習を始めます。よろしくお願いします」

海未が深々と礼を押し5人も合わせて声を出し礼をした。

「練習前後の礼と道場に出入りする際の礼はこんな感じですので、覚えておいてください。それでは始めましょう!」

海未がそう言って、練習はスタートした。

武道場でスクールアイドルの練習をする6人。

初めての場所で多少の戸惑いはあったにせよ、始めてしまえばそんな事はもう関係ない。

海未のキレのある掛け声で全員がステップを刻む。

朝の早い時間帯で、風通しも良いため、今までとは比べようがない位に集中して練習に取り組むことができていた。

Μ‘sを終えた今、6人にとっての次なる目標はμ‘sicforeverでラブライブを優勝することである。 新たな目標に向け、スタートした6人だった。

続く

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