宇野 朴人 (著)
円形闘技場での事件。
神獣の眷属であるガルダ、キンバリーの4年生であり亜人種の生体研究を行う蛇眼のミリガンとの死闘に勝利したナナオとオリバー。
ナナオは絶対の技である魔剣、すなわち七つ目の魔剣の持ち主だった。
そしてひそかに復讐を誓う第四の魔剣の持ち主であるオリバー。
彼らは入学から半年、今まで通りキンバリーでの学園生活を送っていた。
だがある日、オリバーのルームメイトであるピートに異変が起きる。
それは魔法使いとして更なる可能性をもたらすものであったが、ピートは悩み苦しむ。
またナナオとオリバーは一目置かれる存在となっていた。
その二人に対し、1年生のロッシという少年が提案する。
1年生最強が誰かを決めようと。
その言葉に腕に自信のあるものが次々と名乗りを上げた。
こうして勝負をして互いのメダルを奪いあう最強決定戦の開催が決定した。
次々とオリバーらに挑んでくる1年生達。
そんなオリバー達は友人のカティから、ミリガンより譲り受けた地下工房を利用するために協力してほしいと頼まれ、彼らは地下にある工房へと向かう。
だが、そこでも最強決定戦の戦いが待ち受けていたのであった。
シリーズ第2弾。
1巻の終わりでオリバーの目的が明かされ、魔剣についての説明があり、そして続いた今作。
1年生の中で異質な存在のナナオとオリバーの強さが目立つが、今作ではそれ以外の1年生の力や隠された能力も見られ、戦闘シーンでは手に汗握るシーンが多々ある。
死と隣合わせのキンバリーでの生活で、生きるすべを身に付けて成長していく魔法使いの少年少女の物語だが、ただありきたりの学園ファンタジーではない。
家系による確執、因縁、苦悩など、学園生活やバトルシーン以外も丁寧に描かれており、ストーリーをとてもイメージしやすい。
至高のバトルファンタジーという帯に偽りはない作品だろう。