比翼恋理のだーりんのノベライズ

STEINS;GATE‐シュタインズ・ゲート‐ 比翼連理のアンダーリン


STEINS;GATE‐シュタインズ・ゲート‐ 比翼連理のアンダーリン

海羽 超史郎 (著), 5pb.×ニトロプラス (原作)

image
海羽 超史郎 (著), 5pb.×ニトロプラス (原作)

この作品はファンディスク、比翼恋理のだーりんのノベライズである。

物語は何人もの岡部が集まっているところから始まる。

それは岡部の夢であり、目覚めたときには大事な何かを忘れてしまっているような感覚になっていた。

だが、そこはいつもと変わらない未来ガジェット研究所だった。

周囲にはラボメンがおり、騒がしい毎日である。

ある日、ラボは資金難に陥る。 元々厳しい状況であったが、Dメール実験を繰り返した結果、とんでもない見返りが待っていた。

大量の放電現象を伴う実験により、ラボの電気代は大変な事になっていたのだ。

そこでラボメン総出で、この危機に立ち向かう。

ラボメンによるバンドでコンテストの賞金を狙ったり、フェイリスのメイドカフェで全員でアルバイトをしたり...

そんな楽しい日々であったが、未来からやってきた鈴羽の言葉によって一変する。

まゆりがタイムリープを繰り返している可能性が高いというのだ。

まゆりを追いかけてたどり着いた場所で世界は綻び始める。

世界戦は歪んでいく...
そこで見た光景とは、そして混迷の世界線に待つものとは...

原作のゲーム版を知らないので比較はできないが、小説版の円環連鎖のウロボロスとは違う世界戦が描かれたおり、面白いと思う反面、ラボメンの日々の模写、プールやバンドやバイトやデート等々の場面が多いので、少々煩わしく感じることもあった。

だが、まゆりと岡部の絆であったり、そこから先へ向かうシーンであったりは、紅莉栖との関係が中心だった円環連鎖のウロボロスとは違い、新鮮さを感じて読めた。

また今作では綯が何度も登場するが、その理由は読み進めるうちにわかるだろう。

別の世界戦を描いた今作も十分面白い作品である。

SF沼におちた僕の本棚
音乃木坂図書室