その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-012須臾の梅雨の中で② (77)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-012須臾の梅雨の中で② (77)

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-012須臾の梅雨の中で② (77)
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ラブライブ! 2nd Season

ラブライブ! 2nd Season Blu-Rayより

翌日の事…

この日も前日同様に、しとしとと雨が振り続いていた。

休み時間、教室の窓から外を眺めて穂乃果がつぶやく。

「今日も雨だねぇ、南さん...」

「そうだねぇ、雨はいやだねー、高坂さん…」

前日と全く同じような会話をする穂乃果とことり。

「これは…昨日のデジャヴでしょうか…」

2人の会話を聞き、ぼそっとつぶやく海未。

ここ数日と言うものの、毎日同じような内容の話を繰り返す3人であった。

「まだあぁ2限が終わったばかりだけど、お腹がすきましたねぇ、園田さん」

「誰が園田さんですか!まぁ、まぁ私は園田ですけど…
それよりこんな時間にお腹が空いているのは穂乃果だけですよ」

「あぁ、そんなことないよー、 てゆうかさぁ、話変わるけど、空いてる教室はまだたくさんあるんだから、練習で使わせてもらえないのかなあ?

スクールアイドル部の部室の隣の教室も空いてるし、その隣も空いてるじゃん。最近練習できてないから体が鈍っちゃうよ」

生徒会長とは思えない穂乃果の発言であるが、その気持ちもわからなくはない。

現に空き教室はたくさんあるのだ。

「確かにそうですが、1つの部活動でそれを許可すると、他の部もってなってしまうからダメなのでしょう。

やはり正式な形で、部室を拡張してもらうように申請しないとですね」

海未が冷静に言った。

ことりも続く「うん、私たちスクールアイドル部だけって言うわけにはいかないよね。

それにスクールアイドル部は学園祭における講堂の使用も優遇してもらっているし」

「そうだよねー、じゃぁさぁ、空いてる廊下とかは使えないのかな」

穂乃果の問いに海未が答える。

「廊下はだめに決まってるじゃないですか。基本的に人が歩く通路ですから。

仮に大丈夫だったとしても、廊下では前後の動きが限られてしまって、ユニットでの練習は厳しいですよ。

まぁ筋トレであればできると思いますけど」

筋トレと言う言葉を聞いて、穂乃果は鬼軍曹海未の地獄の合宿筋トレメニューを思い出していた。

考えるだけで背筋が冷たくなる穂乃果であった。

「あぁもう、雨やめー!」思わず声を上げて叫ぶ穂乃果。

だが外はしとしとと雨が降り続き、止む気配はなかった。

そしてその日の放課後…この日も雨で練習はできないため、パソコン側の部屋に集まるμ‘sicforeverの6人。

何やら楽しそうな笑顔でことりが花陽に近づき、耳元でささやいた。

「ねー花陽ちゃん、今日はエヴァやらないの?」 その瞬間、嬉しそうな表情で親指を立てて花陽は答える。

「ふふふ…今日は違うので行きますよ。ちゃんとついてきてくださいね、ことりちゃん」

どうやらこの日も花陽は何かを考えているらしい。

そしてその後、6人は打ち合わせを始める。連日のように続く雨の対策をどうするかである。

ここ最近は何度もこの議題について話し合っているような気もするが、いつものごとく、特に何も決まっていないのどっちだ。

「とにかく方法としては部室を拡張してもらう以外にないと思います。

このPC側の部屋部室での練習は論外ですし、隣の教室部屋の部室も、みんなの荷物やロッカー、衣装があったりでスペースはあまりないので練習をするには狭すぎますので。

なので、その隣の空き教室を1室、あわよくばさらにもう1室を部室としていただければと思うのです。そうすれば今よりだいぶ良くなると思いますので」

確かにそれが1番の解決策だろう。

海未の説明に皆が納得顔でうなずく。

そして穂乃果が珍しく生徒会長として発言をする。

「うん、私もそれしかないと思う。だから花陽ちゃん、スクールアイドル部の部長として生徒会に部室拡張の申請をしてね。

ずいぶん前にも同じ話をしたような気もするけど。よろしくね。生徒会長として全力で何とかしてもらえるように頼んでみるから」それを受けて花陽が返事をする。

「はっはぁー!委員長ちゃんは元気いいねぇ、何かいい事でもあったのかい?」 

「へ…花陽ちゃん何…?確かに私は生徒会委員長だけど…」

あっけに取られる穂乃果だった。

花陽の突然のキャラ変ぶりに他のメンバーもポカーンとしている。

ただ1人を除いて…そう、それはことりである。

ことりにはしっかりと通じていた。

「あっ、メメさんだ。花陽ちゃんすごい。どこからそんな声出してるの?」 

どうやら花陽のアニメのものまねと思われる発言のクオリティーは高いらしい。

楽しそうな花陽とことり。穂乃果はそのまま続ける。

「と、とにかくスクールアイドル部を助けるつもりでよろしくね」

「人は勝手に助かるだけだよお嬢ちゃん」

「… … ... ...」思わず返す言葉を失う穂乃果だった。

凛は内容こそわからないが、アニメのものまねをしている、と言うのはわかったのだろう。

凛が花陽に言う。

「本当に花陽ちんはアイドルとアニメのことなら何でも知ってるんや」

「何でもは知らないわよ、知ってることだけ」

「… … ... ...」穂乃果の横で凛も言葉を失う。

話すたびにアニメのものまねで帰されて、もうなんだかわけのわからない2人だった。

海未と真姫に至っては必死に頭で理解しようとするが、所詮アニメの知識などないので、パンク寸前であった。

「あっ、何でも知ってる伊豆湖お姉さんじゃないんだね」

ニヤニヤと笑言いながらことりが言った。

ことりと花陽だけ完全に別世界の住人だった。

穂乃果と凛は撃沈され、海未と真姫はすでに活動限界である。

だが気を取り直すように穂乃果が皆に声をかける。

「ま、まぁいいや…とりあえずさぁ、学校に行っても練習できないし、今日は私の家で衣装作りの手伝いをしようよ。

いつもことりちゃんに任せきりだしさぁ」

「あー、そうしてくれると助かるかなぁ。真姫ちゃんが新しく作ってくれた曲の衣装のデザインはできてるから」

ことりが現実世界に戻ってきた。さらに真姫も言う。

「そうね、こういう時こそみんなで協力してできることをやりましょう。作詞も他の人がやってみてもいいと思うし」

その言葉に花陽が反応する。

「そうだね。僕は決め顔でそういった」1人だけまだ別世界にいる花陽。

全員スルーし、海未が皆へ声をかける。「それでは穂乃果の家にいきましょう」

5人は荷物をまとめるため、隣の部屋へと移動する。

PC側の部屋に1人ぽつんと取り残される花陽…

「もうっち、プラチナむかつく!みんな待ってよー!」

この日も新しいキャラぶりを見せたはないよ。

もともとがかわいいアニメ声の花陽が見せたアニメのものまねのクオリティーは、想像以上に高かった。

しかしそれを理解してくれるのはことりだけであった。。

続く

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