その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-008 陽の射す場所で⑦(55)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-008 陽の射す場所で⑦(55)

音乃木坂図書室 司書

海未の練習メニュー発表に続き、希が言う。

「ドーム大会、あと1曲どうするかも決めんとね。」

「うん、そうだね。何の曲がいいかな?新曲2曲の振り付けも考えないとだし、私も衣装考えないとだね」

ことりがそう言うと、穂乃果も言う。

「μ'sはまだ時間があるけど、私も衣装づくり手伝うからねことりちゃん」

そこへ花陽が別の話題を切り出す。

「あっ、そういえばラブライブのホームページ見た?更新されてたけど、すごいかっこよくてびっくりしちゃった」

「えっ本当?見たいなー、真姫ちゃんPCある?」 穂乃果が真姫に問う。

「ごめん、この別荘にはPCないのよ。だからみんな自分のスマホで...って、あっ、にこちゃん!」

「しょうがないわね。私がUPad持ってるから、少し待ってなさい」

すぐに察したにこは部屋に戻り、待つこと数分。

戻ったにこはUPadを操作し、ラブライブのホームページを開く。

第3回ラブライブのバナーをタッチすると詳細ページへと飛ぶ。

その瞬間、全員が喜びの声を上げた。

にこに関しては誰よりも喜びが目に見てわかる程だ。

「ねぇ、これ私たちよね!ねぇ、ねぇ!?ヤバッ...」

そこにはラブライブがアキバドーム開催に至るまでの経緯と、第3回ラブライブの大会日程と共に、決勝大会におけるスペシャルゲストという表記と写真が掲載されていた。

1枚はA-RISEである。 第1回ラブライブチャンピオンであり、現在はプロとして大活躍しているA-RISE。

そしてもう1枚の写真。 それはμ'sの9人のシルエットのみの写真であり、Coming Soon...という表記がされていた。

ゲストの参加の旨は前日に理事長を通してすでに伝えていたが、運営側は期待を抱かせるかのように、もう少しこのまま引っ張るみたいらしい。

だが9人のシルエットといえば、μ'sをおいて他にない。

誰もがすでにμ'sだと確信しているだろう。

「これを見たら今以上にやる気がでますね」 海未に言葉に皆頷く。

さらに花陽も言う。

「でも凄いよね。こうしてμ'sがプロアイドルのA-RISEと共にラブライブのゲストで参加するなんて...1年前には考えもしなかった事だもん。」

1年前といばまだμ'sは結成されたばかりで、花陽がメンバーに加わったばかりの頃である。

確かにあの頃は1年後がこんな事になっていようとは誰一人として想像するしていなかっただろう。

「あっ、ついでと言ったら何だけど、こっちも見てくれる?」

にこが、そういって開いたページはA-RISEのホームページである。

5月〇日スペシャルゲスト参加と書いてあり、BiBiの名と3人の写真が掲載されていた。

その写真は黒一色で統一されたスーツにハットをかぶった姿であり、とてもかっこいいものだった。

「凄いにゃー、BiBiかっこいいにゃ!」 大声でBiBiをほめたたえる凜。

だがその気持ちはよくわかるものだろう。

自分たちの友人であり、仲間である3人がプロアイドルのホームページに出ているのだから。

「何だか恥ずかしいわね...」 照れた表情の絵里。

その横ではにこが大興奮で発狂している。

にこは自分たちの写真が載っている事を知らなかったのである。

これはツバサの同級生の絵里単独の行動で、メンバー3人は違う学校のため、知らず内に話が進んでいる事はたまにあるのであった。

「凄いわ...A-RISEのホームページに私たちが載るなんて...」

「にこちゃん、この衣装凄いクールでかっこいいけど、誰がデザインしたの?にこちゃん?それとも絵里ちゃん?」

μ'sの衣装を担当することりが認めるほどの衣装である。

デザイナー志望のことりとしては気になるのだろう。

「これは私の友達にお願いしたの。音乃木坂からの付き合いの子で短大も一緒なのよ」

「そっか、良いセンスだねぇ。今度紹介してほしいな」

「ありがとうことり。友達が聞いたら喜ぶと思うよ。」

「凄いなぁBiBi。かっこよくて可愛くて...本当にすごい」 穂乃果が言った。

その言葉は純粋にBiBiをたたえるものであり、内心ではうらやましくもある穂乃果だった。

そこへにこが別のサイトを開いていう。

「ねぇねぇ、よかったらこっちも見てくれる?BiBiのホームページだけど、私が作ったの」

そう言うと、皆が食いつくようにBiBiのホームページを見つめる。

「にこちゃんが作ったの?にこちゃんすごっ...」

「にこちゃん凄いにゃ、プロのホームページみたいににゃ」

花陽と凜がにこを褒め称える。

他の皆もホームページのクオリティの高さに、にこを称賛する。

皆に寄ってたかって凄いと褒められ、上機嫌のにこだった。

だが、プロフィールを見ると、皆が苦笑いをする。

「にこっち、このプロフィールめちゃくちゃやん...
真姫ちゃんの趣味が先輩イジリって...
まぁ、間違ってない気もするけど、
好きなものが優しい先輩(にこちゃん)って...
これもまぁ、合ってるキモするけど...特技がラブニコダンスって意味わからん...」

「でしょ...絵里のはもっとひどいわよ。特技が恐ロシアに好きな物がチョコレート・ハラショー戦隊だもん」

希の指摘に真姫がタメ息混じりに言った。

「ねぇ、チョコレート・ハラショー戦隊って何?恐ロシアってどういう意味?」

”それはねぇ...”と言って説明しようとするにこを絵里が凄い剣幕で静止する。

「何でもない!何でもないから穂乃果は気にしない!わかった!?」

「う、うん...(絵里ちゃん怖い...)」 少し前の発言をにこにいじられた絵里だった。

そこへ凜が声を上げる。 「ちょっと待って!にこちゃん小っさ!」

身長の表示に気づいた凛。 にこはμ'sの時、身長をサバ読んでいたのだ。

154㎝と当時公表していたが、実際は148㎝なのである。

「う。うるさいわね、ほっときなさいよ...」

「やっぱりにゃー、にこちゃん小さいっておもってたもん」

「だまりなさい凛!身長の事なんてどうでもいいでしょ!」

ちなみにではあるが、メンバーの殆どが、にこの身長詐称には気づいていた。

μ'sの時はツインテールで盛っていたが、髪型をストレートにした今、明らかににこが小さいのは自明の理である。

そして希が数十分前と同じ言葉を呟いた。

「ねぇ...ところであと1曲はよ決めようよ...」 閑話休題である。

続く

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