宇野 朴人 (著)
エンリコを討ち取った代償はあまりにも大きかった。
同志11名が死亡し、魂魄融合によりオリバーは生死をさまよっていた。
一命を取り留めるも、オリバーの体には大小無数の変化が生じていた。
何より確実なのは、寿命が大きく削れたこと。
オリバーの復讐は自身の命を削るものだったのだ。
そしてエンリコの失踪は、キンバリーの教師たちを動かすことになってしまった。
2年連続で教師が失踪...
犯人は同じ教師か、または生徒か。
事態を重く見た教師たち、犯人を見つけるため校長自らも動き出すのだった。
一方回復したオリバーは、元の生活に戻るが、彼らの前には普通人学校からの転校生である有利という少年が現れる。
その胡散臭さに警戒するオリバー達。
ユーリィは一人で校内や迷宮を探索する。
彼の目的は一体何なのか。
またキンバリー生徒会も統括選挙の時期が近づいていた。
現生徒会ゴッドフレイに対し、かつての旧生徒会派の陣営も激しく動き出す。
そんな中で現生徒会の勢力を維持するために、蛇眼の魔女人権派のミリガンが選挙に立候補する。
そして教師陣は犯人をあぶり出すため、箒競技に莫大な商金をかける。
ほうき競技のトッププレイヤーであるアシュベリーは悩んでいた。
かつての相棒を失ってから不調に苦しんでおり、それを見兼ねたナナオは助けようとするのだが...
果たして揺れるキンバリーの行方は...
シリーズ第6弾
今作は、エンリコに復讐を遂げてからの話であり、その後のオリバーの苦悶、激動のキンバリーを描いている。
犯人探しのため校長自ら尋問に乗り出し、新旧の生徒会がバチバチに火花を照らす展開だ。
その中で記録を目指して開かれた箒競技大会、自分のすべてをかけて記録に挑むアシュベリーの姿は切ない結末だが、それが魔女である。
また新たに登場した少年ユーリィ、彼の正体は最後に明かされるが、今後どのように物語に関わってくるのか楽しみである。