人類初の超光速航法実験船“聖杯”が光速を超えた瞬間、捕獲されて別宇宙へ

グランド・セントラル・アリーナ


グランド・セントラル・アリーナ

ライク・E. スプアー (著), 金子 浩 (翻訳)

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ライク・E. スプアー (著)

金子 浩 (翻訳)

西暦2375年 

人類は ナノテクと AI の発達により繁栄していた。

宇宙 障害物レースのパイロットである アリアン。

彼女の元に、とある 話が持ち込まれる。

高速を超える宇宙探査機の実験において問題が生じ、次の試験飛行には人間を送るしかない。

そこで アリアンが究極の予防措置として船を操縦する船長に任命された。

最初の超高速船のクルーとなったアリアンは、複数のエンジニアや専門家らとともに巨大な棺桶 みたいな〈ホーリー・グレイル〉号に乗り出発する。

高速を超えた瞬間、船は巨大な閉鎖空間に転移していた。

超高速 エンジンや AI らは全て停止し、アリアンたちは帰還できなくなってしまう。

帰還するために、この空間を調査していると、昆虫型異星人が襲われており、アリアンは助けに入る。

助けた異星人はオーファンという名でアリアンたちをファースト・エマージェントと呼んだ。

それは数千年に1回現れる、新人種族のことだった。

やがてこの場所は、アリーナ と呼ばれる 直径30光年にも及ぶ亜空間であり、約5000の異星種族が スフィア と呼ばれる中で暮らす場所であることが判明する。

この場所で生きていくためには、挑戦というバトルで勝利することが必要だった。

人類の同盟者となった オー ファンに導かれるように、グランド・セントラル・アリーナに到達した アリアンたち。

この場所で生き残り、彼女たちは太陽系への帰還を目指して戦っていく...

この作品タイトルに惹かれて(超 SF っぽいと思って)読んでみた。

高速に関すると強制的にアリーナに転移され、そこでは生存をかけて多種多様の異星人がしのぎを削るという設定は良いと思うし、好みである。

しかし物語の半分ぐらいが説明に費やされていたり、登場人物も個性的なのに限られた人物にしか焦点が当たらず少々 物足りないというか、もったいないという感じが否めない。

とても良いアイデアのスペースオペラなので、もう少し違う展開で分かり易ければ万人受けした作品になったと思う。