西尾維新(著)
忘却探偵シリーズタイ4弾。
小さい頃から冤罪体質の隠館厄介、新しく古書店で仕事に就いたかと思いきや、悲劇が襲った。
仕事帰り、店から帰ろうと外へ出た瞬間に空から女の子が降ってきたのだ。
直撃を受けて、意識不明の重体となるが、幸いにも命に別状はなかった...のだが、目覚めてみると、厄介はメディアからあらぬ容疑をかけられていた。
空から降ってきた少女に対する殺人未遂という犯人扱いをされていたのだ。
少女も一命を取りとめ、捜査により自殺未遂と判明する。
だが、その少女が残した遺書が問題であった。
かつて出版社に勤めていた時の上司で、今もお世話になっている作創社の紺藤。
彼が編集長を務める雑誌の人気漫画家の作品に影響を受けて自殺するという一文が書かれていたのだ。
作家生命に関わる事態に、紺藤は厄介を通して探偵に捜査の依頼をする。
そう、最速の探偵、掟上今日子へと。
かくして厄介は今回の事件の真相を究明するべく、再び今日子を行動を共にするのであった。
今作はシリーズにおいて重要かつ悲惨な人物、隠館厄介により物語は進んでいく。
相変わらずかわいそうなぐらいの設定の厄介だが、シリーズを通して少しずつ今日子と親密になっていく。
...と言っても今日子は1日しか記憶がもたない訳で、あまり意味を持たないのであるが
... 西尾さんはどうやら空から女の子が降ってくるというのが好きらしい(物語シリーズのひたぎさんしかり...)、
それはさておき、今作のストーリーのテーマと中学生の自殺を扱っているが、内容はそこまで重くなく、サクッと読めるが、結末は多少考えさせられるだろう。
西尾産の作品にはライトに書かれている事も多いが、その実今の社会が抱えている闇の部分を描かれていることもあり、面白い作品であると同時に何かを感じる事も多いと思う。