その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-009 眩しいくらいに⑥(62)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-009 眩しいくらいに⑥(62)

音乃木坂図書室 司書

「あとねー、これはどうしようかなぁ。言っちゃおうかなぁー。うーん、どうしようかなぁ」

観客をじらすように話すにこである。

それに応じるかのように会場からは“何?“ “教えて“ と言う声が飛び交う。

「もうしょうがないわねぇ。じゃぁ特別に教えてあげる!」と言って少し間を置くにこには会場は固唾を飲む。

「大発表だよ!7月30日に第3回ラブライブアキバドーム大会が開催されるんだけど、ゲストとしてA– RISEが出演することになりました!」

にこの言葉に会場は沸き上がる。

だが、それはすでにラブライブオフィシャルホームページで発表されていることで、そこまでの驚きは無い。

しかしにこの次の宣言により大変なことになる。 「さらに!A– RISEとともに私たちμ‘sの出演も決まったよ!期間限定だけどμ‘sの復活です!」

にこの発表に会場はわれんばかりの大歓声だ。

まだラブライブオフィシャルでも正式には発表されていないμ‘s復活を告げたにこ。

それだけ皆がμ‘sのことが好きで、μ‘s復活を希んでいたのだろう。A

– RISEのライブ会場とは思えないほど、会場はμ‘s一色となっていた。

会場には大きなμ‘sコールが響き渡っていた。

「こらこら、μ‘sじゃないって、BiBiだってば!はい、これ言うの今日2回目ですよ。でもみんなありがとう。

みんなの応援のおかげで再びμ‘sがライブできることになったの。ラブライブアキバドーム大会もみんな来てね!」

にこのプロモーション能力とでも言うべきか。

今回のBiBiのライブにしてもそうだが、宣伝して自分たちを多くの人に知ってもらう術は、にこの人柄もあってか効果絶大であった。

さすがにアイドルに関してのにこはプロではないが一流と言って良いだろう。 本当によくわかっている。

観客に対して丁寧に接するのももちろん良い。

いや、むしろそれが普通だろう。

だがにこは言葉遣いに気をつけつつも、フレンドリーな喋り方で距離感を、見られる側と見る側の距離を縮めることにより、より身近に親近感が湧くような対応をしているのである。

μ’s時代からの矢澤にこを知っている人はもちろんのこと、BiBiとして彼女たちを知った人にもインパクトがあり、より鮮明に記憶に残る事は間違いない。

それだけ、にこのアイドルとしての素質は突出していた。

「ぶっちゃけね、ここだけの話なんだけどさぁ、μ‘sをもう一度やるかどうか話し合った時は結構大変だったのよね。

ほら家に穂乃果っているじゃない。あの子がさぁ打ち合わせなのにお菓子食べたりケーキ食べたりパン食べたり、とにかく食べてばっかりでさぁ、全然話が進まなかったのよ。

そこで私は言ってやったわ、あんた太ったらμ‘sのメンバーから外すからねって!」

にこの半分本当で、半分作り話のこのネタに会場は大いに受けている。

もともと口も達者なにこだ。いくらでも話は捏造できるのである。

ライブを見に来た5人(穂乃果を除く)もにこの話に笑っている。

「にこがめちゃくちゃなこと言ってますよ穂乃果」

海未の言葉に穂乃果は膨れっ面で言う。

「にこちゃんてば…後でワシワシマックスの刑、確定!」

「でも言ってること、半分は合ってるよね。穂乃果ちゃん、花陽ちゃん」

ことりに言われて言い返すことができない2人だった。

ステージ上ではにこが饒舌に米を繰り広げている。だがさすがに今日はA– RISEのライブの前座であり、時間は限られているのだ。真姫が割り込むように話し出した。

「ちょっとにこちゃん話長いって!もう時間ないからいつまでもダラダラ話すのやめてくれる?」

「はぁー!?何言ってんのよ。その言い方だと私がどうでも良い話してるみたいじゃないのよ!」

「μ‘s復活の話以外、どうでもいい話ばっかじゃないの。別ににこちゃんがツインテールやめた話なんてどうでもよくない?」

「あんたバカね、アイドルにとっては重要なことでしょうが!」

「全然興味ないし」

再びにこと真姫の言い争いに火がつきかけてきたところで、絵里が勝手に話を進める。

「うちのおばかな2人が騒がしくてすいません。時間もあまりないので…次が最後の曲になります」と言う絵里に2人は噛み付く。

「ちょっと絵里、誰が馬鹿ですって?失礼ね!」

「そうよ絵里。にこちゃんが馬鹿なのは事実だからいいけど、私に対して馬鹿ってのは失礼よ!」

「真姫!いいかげんにしなさいよ。ほんとにあなたは失礼ね!」

「しょうがないでしょ、にこちゃん。だってそれは事実なんだから」

「キィィィー、あんたってばねぇ!」絵里の馬鹿と言う言葉は火に油を注ぐ結果であった。

一応この場所はライブハウスであり、一応、今行われているのはBiBiと言うアイドルユニットのライブなのだが…なんともなごやかな雰囲気であろうか。

全く以ていつもと変わらぬ3人。

まるで仲の良い3人組の日常会話の如きMCであるが、これが想像以上に好評であった。

こうしてBiBiの3人は多くのファンを得ていくのである。

この3人、やはり絶妙な関係なのだろう。

希の言ったこと、3人で輝くと言うのもうなずけるものだった。

観客は終始笑顔と笑い声が耐えなかった。

そこで絵里がにこと真姫の首根っこをつかみ言う。

「本当にいいかげんにしなさい2人とも。最後の曲行くわよ。それでは聴いてくださいラブノベルズ!」

2人を制圧して進める絵里。

不満そうな2人をおよそ2曲はスタートしイントロのメロディーが流れる

[ラブノベルス/歌詞]
ラブノベルズ歌詞画像

この曲は前の2曲とは全く違ってユーモアあふれる曲調である。

つい一緒に“ねばねば“と口ずさみたくなってしまう独特のメロディーと歌詞は、今後のBiBiにおいても定番の曲となるのであった。

3曲とも全てが異なる曲調であり、μ‘sの時とは全然違う曲に多くの人がBiBiと言う存在に魅せられていた。 今日のライブはわずか3曲である。

たったの3曲だ。しかしBiBiの3人はこの短い時間のライブで、曲やパフォーマンスは当然のこと、MCも含め、強烈なインパクトとともに多くの人の心をつかんでいた。

前座とは思えないクオリティーであり、今日のライブを通してBiBiの名は多くの人に知れ渡ることになる。

それこそ業界関係者からメディア関係者といった人にもだ。

それだけA– RISEの初ライブツアーの初日に出演したと言う事の意味は大きかった。

こうしてBiBiの初ライブは大成功に終わった。

続く

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