無法者の街・ロアナプラ

ブラック・ラグーン 罪深き魔術師の哀歌


ブラック・ラグーン 罪深き魔術師の哀歌

虚淵 玄 (著), 広江 礼威 (イラスト)

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虚淵 玄 (著)

なんでも請け負う運び屋たち

BLACK LAGOON の小説版第2弾。

前作のシェイターネ・バーディとは何の関連性もないので、今作単体で読んでも全く問題はないが、 前作のキャラクターが、少しだけ登場したり、話の鍵がわからないかもしれないシーンもわずかだが出てくる。

そのため第1弾の読後に今作を読むことをお勧めします。

美しい二つの顔を持つ女性。

あるときはロアナプラでの暴力教会のシスターでありながら、その素性は CIA のエージェントであるエダ。

互いの思惑が一致し、普段はシスターとして悪事を働いているが、彼女のもとにとある作戦計画が告げられた。

その作戦とは狂言誘拐であった。

今回作戦に当たる工作員は、魔術師ウィザードと呼ばれる男であった。

エダの役目は、間接的な支援及び連絡役である。

しかしウィザードという名を聞いて、脳裏に一人の男の姿が浮かぶ。

そうロアナプラでも、ウィザードと言う 渾名(あだ名)を名乗る男が一人いたのであった。

そしてそのウィザードと経済界の大物の娘。

さらにロアナプラの多くの者を巻き込む事件が始まろうとしていた。

今作ではブラックラグーンの主要人物が多く登場しており、 また章ごとに各キャラ目線で語られているところが面白い。

原作通りの狂気に満ちたシーンもあり、 また原作とは違う一面もありと、 ブラックラグーンが好きな人にとって、 とても楽しめる内容だろう。

個人的にシェンホアの語りの章がお気に入りである。

英語だとあまり汚く罵る言葉が言えないと苦悩する姿は何とも言えないものである。

漫画の原作にはない魅力があり、とても面白い作品である。

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