続きを勝手に

ラブライブの続きを勝手に考えてみるEP-000プロローグ④


ラブライブの続きを勝手に考えてみるEP-000プロローグ④

ラブライブの続きを勝手に考えてみるEP-000プロローグ④
image
ラブライブ! 1st Season

ラブライブ! 1st Season Collection DVDより

夢中になる絵里。

その時であった。部室のドアがガラガラと少し乱暴に開くのと同時に「誰ですか!」という大きな声が響き渡る。

その声に驚いた絵里は反射的に隠れるようにしゃがみ込む。

「いるのは分かっているのです出てきなさい!」その声の主は海未であった。

まるでじわじわと追い詰められるサスペンスドラマの犯人かのような気分を、絵里は味わっていた。

(困ったわなんでこのタイミングで海未が来るのよ...)

どうしようかと考えているところに海未は続けて話しかけてくる。

「犯人はもうわかっているのです。どうせまたにこでしょう。

また来たのですか?毎日来るのは構いませんけど、一声かけてくださいよ。

というかそんなに暇なのですか!?学校の準備とかもあるでしょうに。

はあ...とにかく出てきなさいにこ!」

「....」突として現れた海未の怒涛の口撃に戸惑う絵里。

(どうしよう、にこだと思われてる......不覚だわ。というよりにこてっば、そんなに毎日のように音乃木坂に来てたのね。あの子ってば...)

「今日はこれから入学式で私も忙しいのですよ。

にこも来週から短大生じゃないですか。

先輩がいつも来てくれるのは嬉しいですけれど、そもそも今日の部活は午後からですよ!」

(確かに...にこも来週から短大生なのに暇なのかしら...いやそれよりもこの状況どう切り抜けよ...)

「もう時間切れですこうなったら強制的に排除させていただきます。にこあしからずですっ!」

(ちょっ、ちょっと待って海未...て言うか排除って何!?怖いんですけど...こうなったらもう仕方ないわ...)

結局うまい具合に姿を現す方法が思いつかなかった絵里は、意を決して、海未の前に飛び出したのであった。

「にっこにっこにーあなたのハートにラブにこっ。海未、ほら笑ってスマイルスマイルにっこにっこにー。えへっ...」

にこの真似をしながら突然現れた絵里を見て海未はフリーズする。

お互いに無言のまま見つめ合い、2秒間重たい空気が漂う。

そして海未の突き刺すような視線が強烈だった。

必死に絵里は笑顔を作り海を見つめる。

海未にとって絵里のこの登場は相当の衝撃だったらしい。

次第にその表情はいつぞやのトランプで負けた時のような顔に変わっていた。

「絵里...あなたは一体何をしているのでしょうか...そもそもあなたはどこのどなたでしょうか...」

開いた口が塞がらないと言わんばかりに、ぽかんとした顔をする海未。

自分の知っている絵里はこんなことをする人ではないと言うかのように、まるで別人を見るかのような目である。

相変わらず海未の顔芸は豊かだな、と思いつつも慌てて海未に弁明を始める絵里。

「ちっ、違うのよ、海未聞いて。ていうかどこのどなたっていうのは酷いわよ。 それより本当に違うの。にこのものまねをしようとしてたわけじゃなくて、実はね...」

説明すること約5分、どうやら絵里の必須の説明に対して海未も多少は納得してくれたようだ。

「というわけで、驚かしちゃってごめんなさい...」

絵里はなぜ今、音乃木坂にいるのか。どうして今ここにいて衣装を着ているのかという理由を事細かに説明したのであった。

例えばこの場に現れたのが海未ではなく穂乃果や小鳥であったなら、ここまで説明する必要もなかっただろうし、そもそも笑い話で済んだであろう。

しかし...相手は何といっても海未である。

μ'sの中でも一番真面目な性格の海未が相手とあっては、必然と絵里もちゃんとした説明をしなければならない。

ようやく海未の表情に笑みがこぼれた。

「なるほど...そういうことだったのですね。でもびっくりしましたよ。

どうせまた、にこが遊びに来たのかと思ったら、まさか絵里な衣装を着て、にっこにっこにーだなんて言いながら現れたじゃないですか。

正直頭がおかしくなったんじゃないかと、心配しましたよ。

変なウイルスにでも感染してしまったのかと。でもちゃんとした絵里だったので安心しました」

(元々物事をはっきり言う性格ではあるけど、海未それはちょっと...頭おかしくなったっていうのは言われすぎな気もするけど...一応私先輩だし...)と心の中で思う絵里であったが、そこはミューズの年長組である。

大人の対応を見せる絵里であった。

「ごめんね驚かしちゃって。でもかなり恥ずかしいわね。

私もどうしようかと思って...海未ににこって言われたから、急いでにこのものまねしてみたんだけど...」

「あれはにこ以外の人がやると正直だいぶ引きますね...」

「確かにあれは、にこのキャラがあってこそよね。

ところでミューズの衣装は今でもそのままなんだね。

さっきも言ったけど見てたら、つい懐かしくなって衣装を着て踊りたくなっちゃったの。

ほんのちょっと前まで毎日ここにいたのにね」

「絵里の気持ちはわかりますよ。私もこうして衣装を見てると9人での思い出が蘇ってくるんです。

片付けるにしても、場所もないので当分はこのままでしょうが、いずれはどうにかしないとですね。

それにしても絵里が言った通り、先日までこの場所に9人全員がいたって考えると、少し寂しいですね...」

卒業があってそれぞれ自分の進む道があって、別々になってしまうのは仕方がない。

わずか1年であるが、ともに同じ道を歩んだ仲間にとって寂しいことは間違いなかった。

それは旅立つ者、残されたものともに同じ気持ちだろう。

「それは仕方ないよね。確かにミューズとしては、もう終わっちゃったし、私たちは卒業したけど会えなくなるわけではないしね。

ところでにこはそんなに来ているの?」

「ええ、毎日のように来てますよ。私たちは生徒会の仕事もあって部活に来れない日もあったのですが、花陽達から毎日報告もらってますので」

海未はスマホを取り出し、やれやれといった表情で凛からのメールを絵里に見せる。

そこには真姫とじゃれあうにこの写真とともに「今日もにこちゃん来たにゃ。これで三日連続にゃ」という文章と、苦笑いする可愛い猫のスタンプが送られてきていた。

続く

Imagining the Continuation of Love Live! EP-000 Prologue ④

English Virsion

踊る女性

Imagining the Continuation of Love Live! EP-000 Prologue ④

Eri, engrossed and absorbed.

It was at that moment. The club room door swung open with a clatter, and a loud voice echoed, "Who's there?"

Startled by the voice, Eri reflexively crouched down as if to hide.

I know someone is there, come out! The voice belonged to Umi.

Eri felt like a culprit in a suspense drama, slowly being cornered.

("This is troublesome. Why did Umi have to come now...")

As Eri pondered what to do, Umi continued to speak.

"I know who the culprit is. It must be Nico again. Did you come again? It's fine to come every day, but at least give us a heads-up. Or are you really that free!? Don’t you have school preparations to do? Sigh... Anyway, come out now, Nico!"

Silent, Eri was baffled by Umi's torrent of accusations.

("What should I do? She thinks I'm Nico... That's a blunder. And Nico, she's been coming to Otonokizaka like every day...")

"Today is the entrance ceremony, and I'm busy too. Aren't you starting at the junior college next week, Nico? It's nice that you always come to visit, but club activities don't start until the afternoon today!"

("Indeed... Is Nico really that free, even though she's starting at the junior college next week? No, more importantly, how do I get out of this situation...")

Time is up. If this is how it's going to be, I will forcibly remove you. Don't take it personally, Nico!

("Wait, Umi... What do you mean by 'remove'? That's scary... I have no choice now...")

Unable to think of a clever way to reveal herself, Eri made up her mind and leaped out in front of Umi.

Nico-Nico-Nii, your heart gets the love Nico-Nii. Umi, look, smile and smile Nico-Nico-Nii. Ehehe...

Imitating Nico and suddenly appearing, Eri saw Umi freeze.

They stared at each other in silence, and for two seconds, the air was thick with tension.

Then Umi's piercing gaze intensified.

Desperately, Eri tried to maintain a smile while looking at Umi.

For Umi, Eri's appearance was quite a shock.

Gradually, Umi's expression changed to one like when she lost at cards once.

Eri... What on earth are you doing... And who exactly might you be...?

Umi's face was a picture of disbelief, as if her mouth had forgotten how to close.

The Eri she knew wouldn't do such a thing. It was like she was looking at a stranger.

Despite her candid nature, Umi's comments were a bit... much. Eri thought to herself, "I'm still your senior..."

But there she was, the eldest of μ's, showing a mature response.

"Sorry for startling you. But it was pretty embarrassing. I didn't know what to do... When you called me Nico, I tried to imitate her on the spot..."

That act is quite off-putting when done by anyone but Nico...

"True, it only works because it's Nico's character. By the way, the μ's costumes are still here, right? As I said earlier, looking at them made me nostalgic, and I just wanted to dance in them. It wasn't that long ago that we were here every day."

"I understand how you feel, Eri. When I see these costumes, memories of the nine of us come flooding back. Even if we clean up, there's no place to store them for now, so they'll stay here for a while. But thinking that until recently, all nine of us were here, it does feel a bit lonely..."

Graduation brings its own paths, and it's inevitable to part ways.

For those who shared the same journey, even for just a year, the feeling of loneliness was undeniable.

It was the same for those who left and those who stayed behind.

"It can't be helped. Sure, μ's is over, and we've graduated, but it's not like we won't see each other again. By the way, does Nico really come that often?"

Yes, she comes almost every day. We can't always be here because of student council work, but we received reports from Hanayo and the others every day.

Umi takes out her smartphone and shows Eri the email from Rin with a disappointed expression.

Along with this photo of Maki playing with Maki, she received the text, "Nico-chan came today too. This is the third day in a row!" and a stamp of a cute cat smiling bitterly.

英単語 意味
Desperately 必死に
inevitable 避けられない
undeniable 否定できない
reflexively 反射的に
forcibly 強制的に
off-putting 不快な
engrossed 夢中になっている
absorbed 夢中になって
intensified 強化された
SF沼におちた僕の本棚
音乃木坂図書室

ページのQRコード

ラブライブの続きを勝手に考えてみる EP -000プロローグ④