思考する海

ソラリスの陽のもとに


ソラリスの陽のもとに (ハヤカワ文庫 SF 237)

スタニスワフ・レム 著 飯田 規和 訳

image
スタニスワフ・レム

巨大で扁平な星、惑星ソラリス。陸地はわずかしかなく、ほとんどが海で覆われていた。

見た目はただの広大な海、しかし驚くべきことに、高度な知能を持つ海だったのである。

人類はこの謎の海ソラリスに対して、莫大な費用を注ぎ込み研究を続けていた。

100年以上も前から、研究は行われており、様々な仮説も建てられていた。

だがこのソラリス問題の真実が明かされることはなかった。

謎の海ソラリスは、人類にとって謎のままであった。 心理学者のケルビンがソラリスステーションに到着し、目にしたもの。

それは混乱状態に陥っていた基地の姿であった。

自分の知っている者の姿はなく、基地にいる残ったわずかな人間の奇妙な言葉や、不思議な行動の数々を目の当たりにするケルビン。

さらに驚くべきことに、過去に自殺した恋人の姿がそこにはあったのだ。

ソラリスの物語は、登場人物が少なく、ストーリーもほぼソラリスステーションの中でのみ展開されていく。

大きな驚きや、衝撃といった展開はないものの、ソラリスという未知の生命体と、それが巻き起こす未知の現象との遭遇が描かれている。

自分の知識以外のもの、知らないものに対して、人間は自然と恐怖を抱いてしまいがちであろう。

人によっては、通常考えられないような行動をしてしまったとしてもおかしくはない。

そんな未知のものに対して、理解しようとする姿。

それを受け入れようとする姿。また恐怖に近い感情などが描かれており、実に人間らしい姿ではないかと思う。

過去に2回映画化されており、言わずと知れた名作である。