その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-019僕たちはひとつの光⑥(146)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-019僕たちはひとつの光⑥(146)

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-019僕たちはひとつの光⑥(146)
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ラブライブ! 2nd Season

ラブライブ! 2nd Season Blu-Rayより

気がつけば2年生だけでなく、他のメンバーも会場の観客も誰もが最高の笑顔であった。

まさかのライブ途中での号泣と言うハプニングだったが、すべての人の優しさによって再び笑顔を取り戻した真姫。

そして凛と花陽。

いつからだろう、こんなに歌って踊るのが楽しいって思ったのは…

いつからだろう、仲間たちと自然に笑顔で過ごせるようになったのは…

楽しい、ただ楽しくて、毎日が素晴らしく輝いていた。

だから自然と出た言葉だったのである。

今が最高と。そんな真姫が会場に向けて言う。

「皆さんすいませんでした…もう大丈夫です。たくさんの声援ありがとう。気を取り直して次の曲に行きます。

この曲は知っている人がたくさんいると思います。私たちμ'sがニューヨークで披露した曲です。

Angelic Angel聞いてください」

そう言うとμ'sの9人は渡し通路を通り正面ステージへと移動する。

用意してあった扇子を手に取り、絵里を先頭にポージング。

そして曲が流れるとともに、美しく舞うように9人は踊りだす。

Angelic Angel/詞

Angelic Ange

この曲は説明するまでもない位のμ'sを代表する曲の1つだろう。

スクールアイドルをPRするために、ニューヨークにて行ったライブの曲である。

衣装は美しい羽を表現するかのように現代風にアレンジされた和服であり、アメリカを始め、日本以外の国でも配信されて大絶賛された。

衣装だけでなく、髪型も海未を中心に大胆に変化を加え、日本人女性の魅力を大きくアピールした。

そして何より、真姫の楽曲の素晴らしさ、μ'sのパフォーマンスのクオリティーの高さは、日本のみならず世界の多くの人に伝わり日本のスクールアイドルの素晴らしさを発信することができた。

それがこの曲、Angelic Angelである。

センターを務めた絵里は美しすぎる日本の女神と言われた位であった。

その絵里を中心に、9人は一糸乱れることなく、最高のパフォーマンスを披露した。

「みんなありがとにゃー、μ'sだよー!」

曲を終えると同時に、凛が走り出して大声を上げた。

その姿が、全身から楽しくて仕方がないと言う思いがにじみ出ていた。

凛に続いて花陽も言う。

「ライブ最高!みんな楽しんでますか?私は楽しくてしょうがないです!」

先ほど、真姫につられて泣いてしまった2人が、元気に会場へと呼びかける。

それに呼応するように大きな歓声が会場を、そしてμ'sの9人を包み込む。

それから一気にμ'sのMCへと突入する。

まるで友達とおしゃべりをするかのように、9人は会場とのやりとりを楽しんでいる。

観客を楽しませるために、まずは自分たちが楽しむこと。

かつてにこがμ'sを始めた当初に、口が酸っぱくなるほどメンバーに行ってきたことだ。

そしていつからかそれはメンバー全員に浸透しており、見ている人も、自分たちも楽しくなるライブがμ'sの特徴の1つとなっていた。

「ところで真姫ちゃんは本当に泣き虫だよね」MCの中でそう言ったのはことりだ。

当の真姫は寝耳に水と言うような表情でことりを見つめる。

「μ's復活の時も大号泣してたもんね」と言うのは穂乃果だ。

いつもはいじる側の真姫が、いじられる側の穂乃果にいじられる。

さらに穂乃果は続ける。

「μ's終わった時も泣いたし、この前の合宿でも泣いたし、いつも泣いてばっかだよね」

普段いじられていることへの仕返しとばかりに、穂乃果は真姫に行った。

会場も楽しそうにMCに聞き入っている。

少しもどかしそうにしながら真姫は言う。

「えーっと…それは…うん、ごめん…」

真姫としては珍しい反応である。

だが真姫自身、、思うところがあったのかもしれない。

素直な言葉だった。そんな真姫の気持ちをおもんぱかってか、希が割って入るかのように言う。

「まぁ真姫ちゃんはそれだけピュアなんよね。ということでそろそろ次の曲行こうか。次の曲も初めてやる曲なんだよ!」

「はいそうなんです。次の曲は私が最後に作詞した曲です。

それでは聴いてください。」

MOMENT RING /詞

MOMENT RING

MOMENT RING2

この曲は海未が最後に作詞をした曲であった。

μ'sのこれまでを詩にしたかのようで、海未のμ'sに対する思いが込められている。

その詞と真姫の作曲センスが融合し、とても心に残るメロディーで素晴らしい曲に仕上がっていた。

だがこの曲は誕生しない可能性もあったのだ。

作詞をしたのはμ'sの活動を終える直前であり、その頃はまだ曲として完成していなかった。

もしあのままμ'sの活動を終えていたら、きっとこの曲はなかったであろう。

それだけにこの曲の持つ意味は、μ's最後の曲として海未と真姫にとっては大切なものであった。こうして予定していた3曲をあっという間に終えたμ's。

会場は大歓声である。

それに応えるように9人は笑顔で手を振っている。

それぞれの名前を呼ぶ声、μ'sと呼ぶ声…

それはまるでμ'sの最後を惜しむように…

ステージ上の9人に大きな声援が送られ続けていた。

「皆さん、どうもありがとうございました。これにてμ'sの活動は終了となります。

皆さんの応援があったから、支えがあったからこそ、今日まで私たちはやってくることができました。

μ'sはもう最後ですが、まだまだすごいスクールアイドルはたくさんいます。皆さんこれからもスクールアイドルを、そしてラブライブを応援してください。今日まで本当に本当に…本当にありがとうございました!」

会場に向かって穂乃果は大きな声で言った。

μ'sに対する感謝の気持ち、そしてこれからもスクールアイドルを応援してほしいと言う素直な気持ちを会場に向けて…そしてステージで穂乃果を中心に1列に並んだ9人は手をつなぎ、会場に向けて深々と礼をした。

全員で声を合わせて“ありがとうございました“と言いながら…

そんな国にはなりやまぬ大きな拍手と歓声が続いていた。

再読人は会場に鈴をしてステージを後にした。

μ'sのライブラストライブは終わった。

だが会場は興奮と熱狂の余韻が漂っていた。

μ'sがステージを後にしてもそのボルテージは冷めやらず、むしろ、よりμ'sの名を呼ぶ声は大きくなっていた。

「みんなお疲れ様。でもまだ終わらないよね」

ステージ裏へ戻った穂乃果はみんなにそう言葉をかけた。

その意味は説明する必要もなく全員が理解していた。

そしてその9人の思いに応えるように会場ではμ'sを呼ぶ声がどんどん大きくなり、次第にそれは大きなアンコールへと変わっていった。

最後だけど、まだ終わらせたくない…もう少しだけ…あと少しでいいからμ'sと共に時間を共有したい…そんな会場の思いを載せるようにしてアンコールは大合唱となって響き渡る。

“アンコール!アンコール!アンコール!…“

まるでシュプレヒコールのように、ステージ裏にいても地鳴りのように伝わってくる声…

9人は嬉しさに身震いしそうな位であった。

だが、これがμ'sである。

自分たちが大好きだったμ's、そして多くの人に愛された9人の女神、μ'sなのだ。

9人は笑顔で互いの顔を見合わせる。

「よーし、みんなもう一回行くよ!準備はいい?」

穂乃果の言葉に全員がうなずいた。

続く

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