生徒会長とはうはうの恋愛模様

さくら荘のペットな彼女7.5


さくら荘のペットな彼女7.5

鴨志田 一 (著)

image
鴨志田 一 (著)

カタブツ生徒会長とはうはうの馴れ初め。

生徒会長の館林総一郎。 彼は常に学年2位の成績(1位は美咲)であったが、2年のとあるテストで成績を落としていた。

その理由は恋だった。

1年生の時にコンサートでピアノを弾くはうはうこと姫宮沙織の姿を見て一目惚れをしてしまったのだ。

少しずつ二人は距離を縮めていくが、そのスピードは小学生でも驚くような遅さであった。

生徒会長になった総一郎は、沙織の希望を叶えるため、毎日のように放課後の屋上の開放を教師に訴えかける。

そしてその努力が実り、沙織の望みが実現し、総一郎は告白するのだった。

こうして付き合うことになる二人だが、それからも変わらず亀のような遅さの二人。

そして卒業式が近づいていき、総一郎と沙織の出会いと、ピュアな恋愛を描いた「生徒会長のはうはうな彼女」を始め、夏休みに風邪をひいてしまったましろの世話にいつも以上に苦労する空太を描いた「風邪をひいたペットな彼女」、3年生になり同じクラスで隣の席になった七海の空太への思いを描いた「青山七海のもっと乙女なスプリング」の3編による短編集である。

今作の短編集も本編のストーリーを補完する内容となっている。

いつも以上にぶっ飛んでいる真っ白の生活破綻っぷり全開の内容に、本編ではあまり出番のなかった生徒会長とはうはうの馴れ初めはその展開の遅さにもどかしくなり、七海が空太を思う気持ちは、素直に応援したくなる。

全体として恋がテーマの内容である。

そしてさくら草の代名詞ともいえるましろの存在感は、今作でも別格でとても面白い作品である。

SF沼におちた僕の本棚
音乃木坂図書室