河野 裕 (著)
階段島。ここは外界から隔絶された孤島である。
どうやってこの島に来たのかも、ここから出る方法すらわからない場所。
階段島へ車での記憶も失っている。 七草という少年もここへ来た時の記憶はない。
この島は捨てられた人々の島であった。 山のふもとの街からまっすぐにに山頂まで続く階段、その上には魔女がすむという噂であった。
島に来て、学校にも通い、日常を送っていた七草であったが、ある日のこと、幼馴染の少女と再開する。
中学2年生で離れるまで、いつものように一緒にいた少女、真辺由宇であった。
彼女は七草とは正反対の性格で、真っ直ぐであり、正しくないことは受け入れられない理想主義者であった。
そんな彼女が階段島へやってきたことにより日常は一変する。 この島を出るためにはなくしたものを見つけなくてはならない。
その答えを求めて2人は動き出す。そして真辺由宇がこの島へ来た理由。それらの真相が明かされた先に待っているものは...
映画化ということで読んでみました。
日ごろからSFやら文章の量が多い作品を読むことが多いため、すごく簡単で、少し物足りなく感じてしまった。
真辺由宇という少女は本当に不器用なくらい真っ直ぐであり、実際に存在したら、ちょっと困るタイプの子であろう。
無意識の内に他人を傷つけていたり、正しい思う事に対して躊躇がないため、時としてそれが大きな欠点となっている。
だがすがすがしいまでの愚直さは逆に物語のキャラとして好感が持てるところでもある。
魔女の存在は終始ぼやけたままで、上手いこと、物語にフィルターをかけているが、シリーズとして続いているので、続編の展開に期待したい。