江波光則 (著)
“俺を殺してくれ...“
そう言うのは神座最強の男、氷室奉先である。
氷室の強さはめちゃくちゃであった。
型と言うものが一切ない。
人間離れした動きができる2メートルを超える大男…
間違いなく最強である氷室は、白夜の勤める会社、フリードスキャルピングを襲撃する。
車に跳ねられても、ほとんどダメージを与えられないような男と戦闘になる白夜達。
元カノである鳴海とともに、白夜は何とか氷室を無明拳にて退りぞけることに成功する。
意識を失った氷室は、柏葉吐月と言う恐ろしい殺人ヤクザに拘束され、車でどこかへと運ばれていく。
一方で会社の社長である黒曜は、今回の氷室襲撃事件は神座御三家のひとつ、羅紋家の娘であり、東京でアイアンハンズと言う車のショップを営む六花の仕業ではないかと考える。
それを確かめるため黒曜に頼まれた白夜は六花の元へと向かう。
もともと白夜は六花のお店で旧車を入手し、メンテナンスも受けている仲である。
だがそこで白夜と鳴海、六花はよからぬ展開となってしまい…
さらには連れ去られた氷室だったが、拘束を解いて大暴れし、殺人ヤクザの柏葉は大ピンチだと言う連絡が入る。
死にたがる最強の男氷室…果たしてその結末は…
シリーズ第3弾。
今作では、とにかく氷室の異常なまでの強さが前面に押し出されているが、チャプター2では半分位が卑猥な模写であり、相変わらず戦いの最中に白夜は卑猥な妄想をしていたりと、個性豊かなキャラが縦横無尽に暴れまわっている。
玄翁神社の祭司で恐ろしい脅威であり、暴力が許されてしまう存在の氷室は、その力をより強い力で否定されることを望み、自分の終わりを探していた。
その暴力を利用しようとする神座の存在に白夜は翻弄されつつも、無明拳の本来の形を知ることになっていくのだが、そのキャラクターが故に危機が、そうと感じないところがまた面白くもある。
前回同様、エピローグ&プロローグでの過去の思い出では、少し切なくなってしまう部分もあるが、やはりこの作品はバイオレンス&エロスである。