その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-013 音乃木祭⑩(95)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-013 音乃木祭⑩(95)

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-013 音乃木祭⑩(95)
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ラブライブ! 2nd Season

ラブライブ! 2nd Season Blu-Rayより

μ‘sicforeverの美しいバラード曲に会場は先程の大歓声が嘘かのようにしじまに包まれる。

皆が曲の余韻に浸るかのように。

ステージ裏の絵里とにこ、プロアイドルのA– RISEの2人ですら、言葉を失ったかのようにμ‘sicforeverの6人のパフォーマンスから目をそらすことができなかった。

あれほど、おしゃべりなにことツバサが口を閉ざして見入っていると言うのは、それだけ6人のパフォーマンスのクオリティーが高いと言う証拠だろう。

そして静まった会場に向かって穂乃果がしゃべりだす。

「やっぱり歌うのって楽しい。踊るのって楽しい。スクールアイドルって最高です。

そして何より、たくさんの人が楽しんでくれているのが嬉しくて最高です。今日は新生スクールアイドル部の学園祭ライブを見に来てくれてありがとうございました。

音乃木坂にもうμ‘sはいませんが、私たちμ‘sicforeverを始め、かわいい1年生のユニットもいます。

これからも私たち音乃木坂のスクールアイドルを応援よろしくお願いします。私たちもみんな楽しんでくれるようこれからも頑張っていきます。

今日は本当にありがとうございました!」

穂乃果がそう言うと、ステージ上の6人は手をとって深々と会場に向けて礼をした。

これにて学園祭ライブ終了を告げるような穂乃果の挨拶。

μ‘sicforeverのライブは2曲だけで終了かのような言葉は、会場中が名残惜しいと言う雰囲気だった。

確かにμ‘sicforeverのライブを楽しみにしていたファンからすれば、少し物足りなさを感じても仕方ないだろう。

会場は大きな拍手と歓声が入り混じる。

とその時である。会場に大きな声が響き渡った。

「まだまだ終わらないわよ!」 その声の主は矢澤にこだ。

その声とともに、にこと絵里がステージへと現れるその瞬間に、会場は待ってたと言わんばかりの大歓声がわき起こった。

μ‘sicforeverの6人が2曲で終わらせたのはこのためであった。

これはあらかじめ考えていた演出だったのだ。

ステージには希を除くμ‘s 8人のメンバーが集結していた。

この展開はもしかしたらμ‘sがと思った人は多かっただろう。

しかし、今日は見ての通り希は不在である。

つまりμ‘sはない。となると…この時すでに感の良い人は気づいていたかもしれない。

何せ絵里とにこが身に纏ってのは黄色とオレンジを基調とした衣装である。

その衣装が意味するものは…そう、あの曲しかない。

会場ではいつの間にか大きなμ‘sコールが起こっていた。

拍手とともに大歓声にてμ‘sの名前が波のようになって会場を包み込む。

そして再び穂乃果が会場へ向かって喋り出した。

「みんなありがとう…もう知ってると思うけど、私たちμ‘sは第3回ラブライブアキバドーム大会に出演することが決まって、一時的にμ‘s復活となりました。

でもごめんね。今日は希ちゃんがいないのでμ‘sは無しです。μ‘sは9人いてこそのμ‘sなので…だからμ‘sicforeverでもう1曲やろうかなと思ってたんですけど、

今日はえりちゃんとにこちゃんもいるし、さらにゲストでA– RISEのツバサさんとあんじゅさんも来てくれているので…」

と穂乃果がそこまで言うとステージにはA– RISEの2人が現れる。

大歓声に応えるように2人は会場に向けて手を振る。

「みんな、ちょっとだけ待っててください!」

穂乃果がそう言うと、μ‘sicforeverの6人はステージ裏へと戻っていく。

ステージにいるのは絵里とにこ、ツバサとあんじゅの4人。

4人は互いに手にしたマイクで今日のライブの感想を語りだす。

A– RISE、BiBiと人気アイドルの彼女たちは、喋っているだけでも会場は盛り上がるのだ。

そして数分後、ステージにμ‘sicforeverの6人が戻ってくる。

1年生も一緒にステージへと上がる。

μ‘sicforeverの6人は衣装チェンジをしていた。

もうこれで誰もが理解しただろう。

「今日はμ‘sは無しだけど、先輩の2人がいて、A– RISEのツバサさんとあんじゅさんもいるので…だから最後に全員でみんなが知っている曲をやりたいと思いました。

スクールアイドルのみんなでやったあの曲を!」穂乃果そう宣言した。

もうあの曲しかない。会場の歓声はこの日1番と言える大きさである。

会場に入れなくて廊下にいる人も、ライブビューイングで見ている人も、全員が今1つとなり、声を出していた。

「みんな断って、そして私たちと一緒に歌って踊ってください!それでは音乃木祭ライブ最後の曲、Sunny day Song!」穂乃果の声とともに、希は不在だがμ‘sの8人はそれぞれのポジションで構え、その周りをA– RISEの2人と1年生が囲む。

そして曲が流れると同時に割れるような歓声が沸き起こる。

〔Sunny day Song!/詞〕
SunnydaySong

μ‘sの8人はあの日のことを思い出していた。

ニューヨークから戻ってきて、スクールアイドルの素晴らしさを、楽しさを、少しでも多くの人に知ってもらいたくて、思いついたのが自分たちでライブを行うと言うことだった。

自分たちの考えに多くのスクールアイドルが賛同してくれて、何から何まで自分たちで用意してライブを行い、大成功に終わった。

それが実質上、μ‘s最後のライブだった。

最後になるはずだったのだ。

だが、μ‘sの物語はまだ終わってはいなかった。

もう一度9人で、最後にラブライブのアキバドームの舞台で…

そんな思いを抱きながら8人は最高の笑顔でパフォーマンスを見せていた。

ツバサにあんじゅ、1年生に会場の誰もがこの日一番の笑顔だった。

それだけこの曲は多くの人に認知され、スクールアイドルを代表するような曲であり、みんなが大好きなのだ。

その曲の中心であったμ‘sとA– RISE。

この2つのスクールアイドルの存在と言うのは本当に大きなものだったのである。

こうして音乃木坂の学園祭ライブは終始、大歓声と笑顔が絶えない中で幕を閉じた。

曲を終えて、音乃木坂スクールアイドル部総勢21名にOGの絵里とにこ、ゲストのA– RISEの2人全員で手を取り、会場に向けて挨拶をしてライブは終わった。

全員がステージ裏に戻り、会場には通常の照明が灯り、ライブ終了を告げるアナウンスが流れる中、会場ではしばらく後までSunny day Song!を合唱する大きな声に包まれていた。

続く

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音乃木坂図書室