猫と竜と冒険王子とぐうたら少女

猫に育てられた竜、通称猫竜はケットシーにとって先生みたいな存在である。

子猫は皆、猫流により教育され、成猫として旅立つのだ。

縄張りを探す猫。

人間の元へ行く猫と様々であった。

これは猫と竜と人間の物語である。

英雄と呼ばれる黒猫のクロバネは一国の王子と出会い、王子は赤ん坊から少年へと成長し、2人は友人とはならず、子弟となった。

王子は強くなるため冒険を志し黒猫とともに城を抜け出した。

各地のギルドで依頼をこなしながら旅をし、成長していく王子。

すでに王子はそれ相応の実力を備えており、魔獣討伐の依頼ばかりこなしていたが、冒険者が最初期に行う薬草採取をしていなかったことに気づく。

基本が大事と黒猫に訴え、薬草採取の依頼を受けるのであった。

一方で見知らぬ土地へ行こうと考えた白猫がいた。

森を飛び出し、たどり着いた場所で変な少女と出会う。

白猫は少女に興味を持ち行動を共にする。

少女は孤児院育ちで魔法も使えたがその腕前は滅茶苦茶であり、白猫は少女のお世話を焼くことに。

やる気のない少女を指導するのだが…他。

猫竜の母猫を召喚した少女の成長を描いた物語等を含む短編集である。

この作品は心が温まるような物語だ。

猫と竜、猫と人間の絆を描いている。

少々子供向けの内容にも思えるが、

大きなメッセージが含まれている気がする。

猫竜の言葉、命をつなぐ目的以外での殺しは許さないと言うのは、そのまま人間に向けた言葉ではないかと。

第二弾の今作では猫竜と母猫の再会もあり、心温まるファンタジーである。