鴨志田 一 (著)
ましろがイギリスに戻ると勘違いし、空港まで連れ戻しに行った空太。
飛行機の離陸音に描き消され、良く聞こえなかったが、その時ましろが口にした言葉が気になってしょうがない空太。
またましろの心境も大きく変化していた。
絵を描く以外に興味のなかったましろの心に空太の存在が大きくなっていた。
初めての感情にどうしていいかわからない2人は互いにもどかしい日々を過ごしていた。
そんな中で迎えた学園祭。
この日のためにさくら荘のメンバーは壮大なゲーム銀河猫にゃぼろんを制作し、ゲリラ公開を行い、見事大成功を治める。
空太は今までに感じた事のない高揚感を得ていた。
また美咲は別に動き出していた。
大阪の大学に進学予定の仁に対し、猛烈にアプローチをかけていた。
空太も企画書を作り、目標をもって活動をする。
書類審査が通れば今より自身を持ってましろと向き合えると想いながら...
しかし空太はましろの行動に次第に苛立ちを覚えるようになり、二人はすれ違いの日々を過ごしていく。
そしてそれぞれの想いを胸にクリスマスイブを迎えた...
さくら荘第4弾。 今作は学園祭をメインとし、残りは美咲や空太、ましろの心境を描いている。
凡人である空太はましろの行動・発言に苛立ち、嫉妬し、イライラするが、その理由がましろにはわからない。
空がもそれは自分の勝手な思いとわかりながらも感情をぶつけてしまう。
若者の複雑な心境や、あまりに違いすぎる天才の存在に対する凡人の葛藤などをわかりやすく巧みに描かれており、今作も実に面白い作品である。