その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-018思いは1つ③(133)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-018思いは1つ③(133)

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-018思いは1つ③(133)
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ラブライブ! 2nd Season

ラブライブ! 2nd Season Blu-Rayより

翌日のこと。この日も練習に励むμ‘sの9人。

本番のライブを意識して曲を流しながら、実際に歌いながら踊ると言う、ライブのリハさながらの練習であった。

「穂乃果、少し動き出しが遅れているわよ。

センターのあなたが遅れることで周りも遅れちゃうからもっと意識してやって!」そう言ったのは絵里である。

「ごめん、わかった。希ちゃん、にこちゃん、私と左右でハイタッチするところ、もう少し前に踏み出してくれない?あれだと少し合わせづらいから」

と穂乃果もにこと希に注文をつける。

μ‘sの良いところ、それはこうやって皆が皆、全員に意見を言えることであり、互いのだめな部分を年上年下関係なく、はっきりと伝え合えることである。

細かいところを互いに指摘しあい、本番に向けてしっかりと修正し、整えていく9人。

これはスクールアイドルとしてA– RISEらと競い合うようにずっと活動してきた結果、自然に身に付いたものであり、それこそプロのアイドルと遜色がない位入念に調整し、ライブに臨む。

それがμ‘sであった。

この日は比較的涼しい午前中の早い時間と夕方に練習し、日中はみんなで遊ぶと言うとても充実した1日だった。

そんな合宿2日目の夜の事…夕食を終えくつろぐ9人。

合宿中は9人全員で寝るのが恒例となっており、リビングに敷いた布団の上でごろごろしている。

いつも通り食べ過ぎて苦しいと言いながら転がる穂乃果が言う。

「なんだか懐かしいよね。9人ではじめての合宿の時に、みんなで布団敷いて寝てから、合宿ではいつもみんなでこうして一緒に寝るようになったんだもんね」

「あ、思い出した。あの時に寝るってなって電気消したのに、変な音がするなと思ったら、穂乃果ちゃんが布団の中でおせんべい食べてたんだよね」

ことりがそういう、みんなが笑い声をあげる。

当の穂乃果も思い出して笑っている。

「あの時はお腹空いちゃって…ついつい…エヘヘ」

「いや、あんたはいつもでしょ」

にこの言葉に皆がさらに笑う。

「でもあの日も穂乃果は、今日みたいに夕飯食べ過ぎて、苦しいって言って転がってましたよね。

私もお説教したのでよく覚えてますよ。それでもお腹空くって穂乃果の胃袋はどうなってるのです?」

海未の言葉に、また皆から笑いが漏れる。

「だってしょうがないじゃん。お腹が空いちゃうのは私にはどうすることもできないんだもん…

そういえばさぁ、あの日みんなで枕投げしたよね。こうやってさぁ。えいっ!」

と言って穂乃果が投げた枕は、にこの顔に当たった。

「ほーのーかーねぇー…やってくれたじゃないのよ。コラぁ!」

 そう言ってにこが投げた枕だったが、穂乃果が避けると、その後ろにいた海未の顔えと当たった。

「それは…あの悲惨な夜の出来事ですか…!」

まるで海未の周囲からゴゴゴゴッ!と言う効果音が、聞こえてきそうな表情で海未が言った。

そして剛速球で枕を投げ返す。

気づけば9人全員での枕投げとなっていた。

全員が騒ぎながら枕を投げつける。

誰が誰を狙うわけでなく、枕が飛び交う。

希に関しては枕を持ったまま皆にタックルして押し倒し、ワシワシの刑にしている。

真姫はにこに布団をくるくると巻きつけている。

誰が取り出したのか、ビーチボールや浮き輪までもが宙を舞っている。

もう何が何だかわからない状態であった。

でもそれが楽しい。

ただただ楽しい時間だと言うことに間違いない。

ひっちゃかめっちゃかであるが、みんなが笑顔で楽しんでいた。

そしてしばらくして皆おとなしくなる。

はしゃぎすぎて疲れたのだろう。

全員がぐちゃぐちゃになった布団の上に座っている。

「ハァ...ハァ...みんなはしゃぎすぎよ。でも楽しいわね。

そういえば枕投げの時の海未の恐ろしさを忘れていたよ」

「何を言っているのです、絵里?」 

海未はあの日、半分寝ぼけていたので、剛速球で次々と顔面に枕を投げつけた記憶よりも、皆によって睡眠を妨害されたと言うイメージが強く、悲惨な夜と言っていたのだ。

「そういえば凛も合宿で思い出したんだけど、秋の合宿の時はなぜか登山したり、川に落ちたりで大変だったにゃ...」

それも半分海未がらみである。

「確かに…私も一緒に川に落ちて散々だったわね…」

と言うのはにこである。

さらに望みが続く。

「あの時の海未ちゃんは山ガールで半端なかったよね」

「今となっては全部良い思い出ですね」海未が言った。

みんなが懐かしい話で盛り上がっている。

「あと、大会前日にみんなで学校に泊まったよね。あれはすごい楽しかったなぁ…」

花陽は 言った。その花陽は最初は笑顔であった。

しかし、次第にその表情が崩れていき、突然そのまま泣き出してしまう。

隣にいたことりが心配して声をかける。

「花陽ちゃんどうしたの…大丈夫?」

花陽の目からは涙が止まらない。

だが声を絞り出すようにして花陽が言った。

「うぅっ…ぐすっ…みんなとの… μ‘sでの思い出がありすぎて…こうやって大好きなみんなと… μ‘sの9人で集まったり合宿するのが最後だと思ったら…うぇぇーん...」

花陽はにこからスクールアイドル部の部長を引き継ぎ、部長として頑張ってきた。

μ‘s復活が決まり、部長として責任を持って行動していた。

花陽も誰にも負けない位μ‘sに対する思いが強いのだ。

それらを踏まえ、こうしてμ‘s 9人での時間があと少しと考えたら、もう感情をコントロールすることはできなかった。

今までのμ‘sでの思い出が走馬灯のように蘇り、気づけば涙を堪えることができなかったのだ。

その花陽の気持ちが、他のメンバーにも伝染したかのように、鼻をすする音が聞こえる。

「もう花陽…やめてよ…」といったにこの頬を涙が伝う。

「なかさんといてよ…泣くのはあの時だけでよかったのに…」

そういう希の目にも涙が浮かぶ。

同様に他のメンバーも…真姫に至っては鳴き声すらあげている。

しかしその時大きな声で穂乃果が言った。

「最後じゃない!その言葉に全員が穂乃果へと振り向いた。

穂乃果の瞳にも光るものが見えるが堪えて言葉を続ける。

「確かにμ‘sとしては最後かもしれない…でも私たちは変わらない…

私たちは大切な友達、大切な仲間だよ。

誰1人として欠くことなく全員が大事な存在…それはこの先、何年経とうが変わらない!

大人になっても絶対!おばさんになっても絶対絶対!

おばあちゃんになっても絶対絶対絶対!

私たちはずっとともだち。この9人はいつまでも一緒だよ!絶対約束だから!」

続く

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