サイコパス社会の創生紀

PSYCHO-PASS GENESIS 4


PSYCHO-PASS GENESIS 4

吉上 亮(著)

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吉上 亮(著)

シュビラになった者達の生涯。

精神作用物質の違法薬物[涅槃]ニルヴァーナの製造拠点を突き止めた厚生省麻薬取締局。

だが、その戦闘後、衣彩茉莉は行方不明となり、関連施設の破壊工作に従事していた。

しかしその理由が茉莉には見当たらなかった。

つまり唐之杜秋継に拘束されて利用されていると真守滄は考えていた。

それは免罪体質、魂を数値化できない、一切色相が濁らない特異体質が故であった。

また真守滄も同じく先天性免罪体質のもし主だったのだ。

それ違う滄と茉莉だが、やがて再び巡り合う時がやってくる。

国の存続のため、かつて棄民制作を行った日本。

その過程で犠牲になった多くの者達。

帰望の会のエイブラハム・M・ベッカムは復讐を誓い、テロを続けていく。

厚生省は捜査を続けるが、そこには違法薬物[涅槃]との繋がり、厚生省、警察組織、経済省等ほかの省庁、そして東金財団と言った多くの思惑が渦巻いていた。

そして辿り着いた場所、そこはシビュラシステムの象徴である厚生省ノナタワーであった。

サイコパス社会の創世紀、ここに完結。

アニメ、サイコパスのノベライズの完結編である。

3,4巻Uが前・後半構成となっており、シビュラ社会の黎明期、政府、反対勢力の争い、犯罪やテロ、違法薬物が横行する混沌の時代から、シビュラシステムの確立、そこに至るまでを描いている。

シビュラとは何か、シビュラになった者達の生涯、儚くも散っていった者達を描いた物語だ。

果たしてシビュラ社会は人類にとって善なのか悪なのか...

その答えは定かではない。

作者あとがきにあるように、この物語の1つのテーマとして”クロッシング”が挙げられる。

すれ違う者達の哀切さ、孤独...それが随所にみられる。

過去や戦闘のシーンでは、かなり残酷な模写もあり、時代の暗の部分を如実に物語っている。

作品として素晴らしく、原作を知らなくても十分に楽しめる作品であろう。

そしてこの作品から数十年を経て、アニメ原作、PSYCHO-PASS の世界へと続いていく。

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