その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみるEP-021青い空に夏の匂いを④(160)


ラブライブの続きを勝手に考えてみるEP-021青い空に夏の匂いを④(160)

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみるEP-021青い空に夏の匂いを④(160)
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ラブライブ! 2nd Season

ラブライブ! 2nd Season Blu-Rayより

8月某日、

今日は江戸川花火大会の日である。

都内でも有数の花火大会であり、毎年大勢の人で賑わう。

江戸川区の葛西臨海公園で行われるこの花火大会は、多くの出店も並び、海外からの観光客も多く訪れ、夏の風物詩の1つとなっている。

アキバからもそう時間もかからずに行ける場所であり、この日μ‘sicforeverの6人は江戸川花火大会に行くため、秋葉駅に16時集合と言うことになっていた。

時刻は15時半。秋葉駅前には浴衣姿の花陽がいた。

この日は浴衣のため、際立つ変装はしていないが、メイクをして伊達眼鏡をかけた花陽の姿はいつもより大人っぽく見えてて、とても可愛らしかった。

凛と一緒に来るつもりだったが、準備がまだ終わらないからと言うことで、一足先に到着した花陽。

待ち合わせ時間までは、まだ30分もあるため、駅ビルの中にあるカフェへと入店する。

「あー、涼しい…天国だー…」

カフェの涼しさに思わず声を出してつぶやいてしまう。

それほど外は暑いのだ。

都会は輻射熱による影響で、実際の気温よりもさらに暑い。

アキバも然りである。

好物のアイスソイラテを注文し、空いている席を探していると、花陽の視界にはよく知る人の姿が飛び込んできた。

おしゃれな帽子をかぶり、大きなサングラス、シルバーの髪色をした女性である。

花陽は何か良いものを見つけたような笑顔で、その人の元へと向かった。

「あの、すいません。相席してもいいですか?」 

花陽が声をかけると、女性は反応し、すぐに自分の正面の椅子に置いてある、荷物を退けて椅子を花陽に進める。

「大丈夫ですよ、どうぞ…」といったところで、花陽を見つめ、女性は数秒フリーズする。

そして…「、何よ、花陽じゃないの」

「ニコちゃん見つけた!こんなところで何してるの?てゆうか、今日はシルバーのウィングなんだね、おしゃれだなぁ」

「私は、今日これから柚梨愛と一緒にライブ行くのよ。桜色スペードアルファのライブで横浜にね。

それよりさすが花陽は目のつけどころが良いわね。うん、かわいいでしょ。このウィッグ。スペアルの萌音ちゃん仕様ってわけ。

そういう花陽も今日はお化粧してて、すごいかわいいじゃない。何、あんたもしかして浴衣って事は、男とお祭りでも行くの?」 。

「何言ってるの?ニコちゃん、そんなわけないじゃん。今日は江戸川花火大会に、みんなで行くんだよ。にこちゃんも穂乃果ちゃんに誘われたでしょう。エヘヘ、でもかわいいって言ってくれるのは嬉しいなぁ、ありがとう。ニコちゃん。ニコちゃんもとってもかわいいよ。!」

「あら、まったく先輩を持ち上げるのが上手いわね。まぁ当然なんだけど、ありがとね。そっか、花火大会今日だったっけ。私も行きたかったけど、今日のライブは3ヶ月前にチケットを取って楽しみにしてたからさ。花火大会はまた違うのに一緒に行こうね。」

「うん、そうだね。ていうかスペ歩のライブ行くとか超うらやましいな。今度ライブの感想聞かせてね。それでは今日のライブは何時からなの?」 

「今日は7時開場の18時半ライブスタートよ。会場は横浜アリーナだし、ライブ前に物販も行きたいし、ライブ前のあの独特なドキドキ、ワクワク感も楽しみたいから、そろそろ柚梨愛が来てくれないと困るんだけど、…」

と言った。にこは腕時計に目をやる。

時刻は15時45分、確かに横浜アリーナとなると、アキバから1時間以上かかるのでにこの言う通りだろう。

特にアイドルオタクのにこにすれば、現地入りは早めにしたいところである。

それから5分後…談笑している2人のもとに、柚梨愛がやってくる。

が…その姿は誰がどう見ても、オタク丸出し、ガチ勢のファンの姿だった。

前回のものと思われる、ツアーTシャツにタオルマフラーを首からかけ、リュックには缶バッチや小物のグッズが、多数取り付けられている。

すでにこの気合の入るようだ。

ライブ会場に到着したら、にこと大暴れするのが手に取るようにわかる。

そのルックスとスタイルからは、想像もできないような柚梨愛の格好であった。

背の高い柚梨愛が、申し訳なさそうに、ぺこぺこ頭をにこに頭を下げながら言う。

「ごめーん、にこやん遅くなっちゃって…」と。

そこで言葉を切って花陽に気づく。

「って、あれ、花陽ちゃん?」 

声をかけられた花陽は、柚梨愛の姿を見て歓喜の声を上げる。

「うっわぁぁぁー、柚梨愛さん最高です。恰好よすぎです!そのスタイルで、その格好はアイドルオタクの鏡です!素敵すぎます。やばいっす!何かいろいろなものが飛び出ちゃいそうです。!」

何を言っているかよくわからないが、大興奮の花陽は親指を立ててサムズアップし、目を輝かせながら柚梨愛を大絶賛する。

アイドル丸出しの柚梨愛の姿に花陽は感銘を受けていた。

同じくアイドルを愛する者として、共感できる部分が多々あったらしい。

自分も大人気のスクールアイドルであることを忘れたかのような花陽であった。

にこ、柚梨愛、花陽。

今ここにいる3人は、それぞれ格好は違うが、自他共に認めるアイドルオタクである。

「遅いわよ。柚梨愛!横浜だから15時集合って言ったのに、もうすぐ16時じゃないの!全くあんたは時間にルーズなんだから…」

「ごめんって。そんなに怒らないでにこやん」と言って、柚梨愛はにこの頭をポンポンと手で触れる。まるで親子のようである。

「あれ、でも花陽ちゃんはどうしたの?もしかして花陽ちゃんもスペアルのライブ行く感じ?」

「そんなわけないじゃん、夕方だし…花陽がみんなと江戸川花火大会に行くんだって」

「あぁ、今日花火大会か。そっかー、にしても、花陽ちゃん超可愛いね。もしかしてメンズとデートだったりして…!?」 

「あんた私の話聞いてた?みんな何と言ったでしょうに…音乃木坂のみんなと第4」

「そうなの?でも花陽ちゃんそんなに可愛かったら、学校中の男子が放っておかないでしょう」

「音乃木坂は女子高でしょうが、...てゆうか、あんたも卒業生じゃん。」

「えっ、でも私音乃木坂でよく来来られてたけど」

「知らないわよ。そんなこと!」

柚梨愛はモデルのようなルックスで、音乃木坂時代に後輩の女子生徒からとても人気があったのだ。

そんな先輩二人の会話をあっけらかんと見ている花陽だった。

「ほら、もう行くよ!花陽、じゃあまたね!」、

「うん、またね。柚梨愛さん、今度アイドルトークしましょう」といって2人を見送る花陽であった。

1人になった花陽は、それから10分ほどカフェでまったりしていると、どうやらみんなもう駅に着いたらしい。

凛から”かよちんどこ?”と言うメールが来ていることに気づき、慌ててカフェを後にする。

駅の改札前に行くと、浴衣姿の5人の女子を発見するが、1人だけ浴衣なのにサングラスをかけ帽子を深々とかぶっている。

怪しさ満点なのはもちろん真姫である。

「みんなお待たせー、って、あれ、待っていたのは私かな?」 

そう言って合流した花陽にことりがすぐに気づく。

「花陽ちゃんお化粧してるかわいい」と言った。

ことりは花陽をハグする。

ことりの髪からはとても良い香りが漂っていた。

「あほんとだ。かよちんかわいいなぁ。まきちゃんと一緒だね」

花陽は凛の言葉に真姫の顔を覗く。

帽子とサングラスでわかりづらいが、真姫もバッチリメイクをしており、大人っぽく、とても可愛らしかった。

だが、なぜか照れるように帽子をさらに深く被る真姫。

「そんなのいいじゃない…ほら、いきましょう!」

真姫も海未ほどではないが、恥ずかしがり屋なのだ。

いくら大の仲良しとは言え、見つめられると、照れてしまう真姫であった。

そして6人揃ったところで、電車に乗り楽しそうに花火会場へと向かった。

続く

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