川原 礫(著)
これはゲームであっても遊びではないー
そこは全百層からなる巨大浮遊城・アインクラッドという世界である。
ソードアートオンライン(SAO)は次世代VRMMO(仮想大規模オンラインゲーム)であり、ヘッドギアによって脳と直接接続し、五感の全てにアクセスできる、すべてをデジタルデータで構成された世界、バーチャルリアリティ(仮想現実)を実現したものであった。
このゲームにキリトという名で参加していた少年は、ベータテストプレイヤーとしてサービス開始2か月前よりプレイしていた。
そして正式にゲームが開始されるのだが、プレイヤーを待っていたのはログアウト不可、
開発者によって伝えられたのはクリアするまでゲームからの脱出不可能、
ゲーム内での死、つまりゲームオーバーは現実において本当の死を意味するものだった。
1万人のプレイヤーは徐々に数を減らしていった...
それから2年、キリトはソロプレイヤーとして強さを身につけ、アインクラッド74層まで攻略していた。
2年の期間で、攻略を目指し、最前線に立つ者、世界になじみ、普通に暮らす者、犯罪行為に手を染める者等に分かれていたが、攻略を目指して組織されたギルドの1つ、血盟騎士団の中にアスナという女性プレイヤーが存在した。
数少ない女性、それと共に美しい容姿を持つアスナは有名人だった。
ある事がきっかけでキリトはアスナと共に行動する事になるが、この出会いは、キリトにとって特別なものとなっていく。
最上層攻略、ゲームクリアを目指して命がけの仮想世界での冒険の始まりである。
言わずと知れた人気作、ソードアートオンラインの第1弾だ。
ダンジョンや冒険ものはラノベとしてはよくある設定だが、仮想世界での、バーチャルリアリティによる冒険は、まさにこんなのあったらおもしろいなという妄想を物語にした感じだろうか。
だが、その世界観も細かく作られており、まるで本当にゲームの世界にいるかのように読ませるのはさすがである。
TVゲームにおいてRGPやオンラインゲーム(自分はFFやモンハン等)を興じていた人であれば、まず楽しんで読めるだろう。
ヒロインのアスナがいきなり...って展開があったり、キリトとアスナの中が次第に深まっていくのも、いいアクセントとなっており、人気となるのも頷ける作品である。