その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-006 美しく輝くために④(38)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-006 美しく輝くために④(38)

音乃木坂図書室 司書

そこへにこが言う。

「ちょっとしっかりしなさいよ後輩。てゆうか真姫、きのせいか頼れる先輩の中に私の名がなかった気がするけど」

そんなにこに構うことなく希は真姫に言う。

「大変やね、確かにあのメンバーだとね。特に真姫ちゃんと海未ちゃんを除いた4人はワイワイしてうるさそうやもんねぇ。目に浮かんでくるよその光景が」

そこにしつこくにこが割って入る。

「私の話も聞きなさいよ!まぁでもしょうがないわよね。私みたいなまとめ役がいなくなっちゃったら大変よね」

「にこちゃんうるさいよ、少し黙ってて!」

「きぃぃぃー、真姫、あんたてばねぇ、少しは先輩に対して敬意を払いなさいよ!」

「はいはいわかりました。ごめんなさい矢沢先輩」

「敬語はやめいっ!てか、そのバカにしたような言い方は何よ!」

にこは真姫につっかかるが、真姫は悪びれる様子もなく軽くあしらっていた。

そこへ絵里も割って入る。

「なんですぐ言い合いになるのよ2人は…とにかく音乃木坂のほうも大変だったのはわかったわ。海未が怒っている姿が目に浮かぶわね。恐ロシアね…」

絵里の発言に耳を疑うように希は訊き直す。

「え、絵里ち...どうしたん...?何、恐ロシアって...」

絵里は指先を頬に当て可愛らしい仕草で説明する。

「フフフ...それはね、すっごい怖いって意味で恐ろしいっていうのと、ロシアの広大な国土面積のすごい大きいっていうのを掛け合わせてみたの。恐ロシアよ、はやるといいなあ」

絵里の発言に一瞬、場が凍りつく。

そこへ希が言う。 「絵里ち…それはアカン。無理やって...」

「絵里イミワカンナイ。流行るわけないでしょ。」 真姫も言った。

更ににこも続く。 「絵里、あんたバカ?普通にないわよ。」

3人の冷たい反応と言葉にヘコむ絵里であった。

ロシアでの生活がながかった絵里、おおきな勘違いだが、まだまだ日本の文化に慣れていないなと思っていた。

真姫は話を戻す。

「それでさ、この前も穂乃果の家でみんなで集まって相談したんだけど、何も決まらなくて...、結局みんなでお茶して雑談しただけになっちゃったのよね。」

「穂乃果ちゃんの家やと美味しいお菓子がたくさん出てくるもんね。つい楽しくなってよもやま話で盛り上がっちゃうのはわかるなあ。うちも参加したいもん。」

6人での新しいユニット名決めは、かなり難航しているようである。

絵里や希のようにグループをまとめてくれる存在は大きかったのだ。

海未や真姫に決してその能力がないわけではないが、2人とも性格的に自分が前にでるタイプではないし、今現在特に急を要しているわけでもないため、6人で集まるとどうしても楽しくなり、後回しになっている現状であった。

それにことりや穂乃果、凜に花陽はあんな性格である。

海未や真姫が苦労する姿が容易に想像できるだろう。

「それで、私たちが悩んでいたら(実際はお茶してお喋りしてただけだけど)穂乃果のママが決めてくれるって言ってきて」

「あれっ、穂乃果のママって音乃木坂の卒業生で確か生徒会長だったわよね?で何てユニット名なの?」

にこの問いに真姫は答える。

「団子シスターズ...はぁ...穂乃果のママなだけあるわよね。期待はしなかったけどさすがにそれは...」

「穂乃果のママ最高ね!団子シスターズ...ププッ...ぴったりじゃないのよ。和菓子屋の団子シスターズ...プププッ...」

穂乃果母考案のユニット名に笑いを耐えられないにこであった。

そんな真姫を見かねて希が言う。

「大変やね...今度うちが決めに行ってあげようかな」

すかさず真姫は希に飛びつく。

「うんお願い。希が言えばみんな聞くと思ううから...」

「しっかりしてよみんな...」

音乃木坂入学式の日に後輩の姿が頼もしく見えたのは、目の錯覚だったのかと思う絵里だった。

6人の心配をする2人の先輩と、楽しそうに笑う1人の後輩である。

だが、にこも誰よりも後輩の事を思っているのだ。

「ていうか団子シスターズでいいじゃない」

「いいわけないでしょ!なんでμ'sの後のユニット名が団子シスターズなのよ。他人事だと思ってにこちゃんは...」

「冗談よ、冗談。まったくしょうがない後輩なんだから。また今度私も遊びに...じゃなくて、音乃木坂に助けに行ってあげるわ。少しは感謝なさいよ真姫!」

「うん、ありがとうにこちゃん」

素直にありがとうと、予想外の返事が返ってきたことにたじろぐにこであった。

何しろ言い返されたときのためのシナリオまで考えていたのだが、こうなってしまうとにことしても、もう何も言うことができなくなってしまい、おとなしくしているほかになかった。

真姫は話題を変えて話を続ける。

「そうそう、話は変わるけど、亜里沙はもうユニット活動始めたのよね。雪穂ともう1人の3人でね。入部前にすでに3人でユニット組んでて、1年で1番早かったのよね。」

「うん、私も亜里沙から聞いたわ。3人ではじめたって」

絵里の妹の亜里沙は音乃木坂に入学してまだ2週間程しかたっていないのに、すでにユニットを組スクールアイドルとしての活動をスタートしていた。

メンバーは親友の雪穂とクラスメイトの梨緒という少女である。

この3人はいずれ大活躍するのだが、それはもう少し先の話である。

「へぇー、早いわね。やるじゃないのよ」 珍しくにこも関心するぐらいのスピード結成だった。

「亜里沙に聞いたけど、もう1人の子が凄いって言ってたのよね。どんな子か知ってる真姫?」

絵里の問いに真姫が答える。

「うーん...私もまだよくわからないのよね。1年生が入ってきてまだ少ししかたってないから。梨緒っていう子なんだけど、作曲ができてダンスもやってたから振り付けも得意らしいけど...帰国子女で少し変わった子かも...まぁこれから注目ってことで」

「そうね。でもさぁユニット名が...」

「あぁ、それね...私も3人に訊き直したぐらいよ。いくら(仮)とは行ってもそれでいいのって...」

「わたしも亜里沙に聞いた時はびっくりしちゃって...」

どうやらユニット名を決めるので苦労しているのは皆同じらしい。

確かにインパクトのあるユニット名を決めるのは簡単な事ではない。

それだけμ's、BiBiと名付けた希のセンスは優れている証拠であった。

続く

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