その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-016最高の瞬間を⑨(121)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-016最高の瞬間を⑨(121)

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-016最高の瞬間を⑨(121)
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ラブライブ! 2nd Season

ラブライブ! 2nd Season Blu-Rayより

この日最後の曲、Angelic Angelを終え、会場は大きな歓声に包まれていた。

μ‘sを、メンバーの名を叫ぶ声がいたるところから聞こえてくる。

「皆さん、今日はどうもありがとうございました!」

ステージで穂乃果を中心に1列に並び、9人は手をつないで頭を下げて礼をし、ステージを後にした。

ステージ裏に戻った9人。全員がやり切ったと言う最高の表情をしている。

μ‘sを再びやると決めて、今日のライブに全力で挑んだ。

練習場所等で色々と苦労することも多かったが、9人でμ‘sとしてライブをやれたこと、そして会場も自分たちも楽しんでライブをやれたことに満足と安堵の気持ちだったのだろう。

穂乃果はステージに戻ると”ふう...”と一息ついていた。

だがそんな気持ちを余所に、会場からμ‘sの熱が消える事はなかった。

はライブのトリを飾るA– RISEが控えている。

しかし会場には大きなアンコールの声が響き渡る。

まだ終わりたくない…もっとμ‘sのライブを見たい…そんな会場の思いが伝わってくるかのような大きなアンコールであった。

(どうしよう…アンコールは嬉しいけど…)心の中でそう思いつつ、戸惑い気味の穂乃果はメンバーの顔を見る。

ステージ裏で待機中だったA– RISEのツバサがμ‘sに向かって声をかけた。

「何してるのよ、ほら行ってきなさいよ。お客さんが呼んでるわよ!」

「でも…次はA– RISEの出番だし時間も…」そういった穂乃果に対し、ツバサは少々厳しい顔つきで穂乃果に近づいて言う。

「アイドルって何!?みんなを楽しませて笑顔にすることでしょう!ここでみんなの期待に応えなくてどうするのよ!」

ツバサの叱咤とも言えるような言葉に穂乃果は全員の顔を見回す。

言葉はないが今度はその表情で全員の気持ちを理解した穂乃果が無言でうなずいた。

それを見たツバサは穂乃果に、そしてμ‘s全員に向けてとびっきりの笑顔を向ける。

「私たちの事は気にしなくていいよ。時間のこともね。μ‘s、もう一回行ってこい!」

「ツバサさんありがとう」穂乃果はそう言うと、μ‘sの9人は即興で打ち合わせをする。

そしてスタッフに告げてアンコールの準備は完了した。

会場では引き続きμ‘sに対する大きなアンコールが響いている。 「よーしみんなもう一回行くよ!」

穂乃果の掛け声とともに会場に曲が流れ、大きなアンコールの声が大歓声に変わる。

そしてμ‘sの9人が再びステージに現れ、会場が揺れる。

「みんなありがとう! μ‘s 9人で歌うSUNNY DAY SONG!」穂香は会場に向けて叫んだ。多くの人が知っている曲。

スクールアイドルによるライブでスクールアイドルのみんなで歌ったこの曲を9人は歌った。

μ‘sとともに会場の多くの人が一緒に歌い、一緒に踊っていた。

会場とステージ上の9人が一体となって作り上げるこの雰囲気は他の何にも変えがたい最高のものであった。

A– RISEの3人もステージ裏で、一緒に楽しむように口ずさむ。

SUNNY DAY SONG

「μ‘s再び登場しちゃいました。アンコールありがとう。A– RISEファンの皆様はもう少しだけ待ってくださいね」

サニソンを終え、ざわつく会場に穂乃果が言った。

「今日は最高でした。それもこれも会場の皆が盛り上げてくれたからです。

本当にありがとう。最後にあと1曲歌わせてください。

この曲はライブでやるのは初めてで知らない人もいるかもだけど、私たちにとって1つの区切りとなった大切な曲です。

聞いてください。Love & Peace」

[Love & Peace/詞]

Love & Peace歌詞

この曲をライブで披露するのは初であり、この曲はμ‘s区切りとなった曲である。

何しろμ‘sを終わらせると決めた後にできた曲なのだ。

PVはあるが人前で歌うのは初で知らない人もいたかもしれない。

だがとても美しいメロディーで特にサビは私とともに聞いていると心に聞いてくる曲であった。

気のせいかその曲調は活動を終えるμ‘sに対してのありがとうと言う言葉のようにすら感じられるもので、会場ではこの曲を聴いて自然と涙を流す人もいる位だった。

曲を終えた9人は止むことのない大きな拍手と賛辞の声が送られていた。

改めて9人は会場に深々と礼をし大きな声で言った。

「ありがとうございました!」と。

その意味はもちろん今日のライブに来てくれて応援してくれたこと、それからμ‘sと言う存在を受け入れてくれて、今まで支えてくれたことに対してである。多

くの人に支えられ、μ‘sがあったと言う穂乃果を始め、全員の思いがあったからこそ、自然に合わせるわけでもなしに同じ言葉が出たのであろう。

ステージ裏に戻った9人にツバサがねぎらいの言葉をかける。

「お疲れ様。μ‘s最高だったよ。次は私たちの番だから見ててね」

ツバサはそう言って、あんじゅ、英玲奈とともにステージへと飛び出して行った。彼女たちはプロである。

心配など何一ついらないだろう。 穂乃果はそんなA– RISEと共に今日こうして再び同じ舞台に立てたことを誇りに思っていた。

スクールアイドル時代からそうであったが、よくよく考えれば自分はすごい人たちと同じ時間を共有していたのだ。

最初はμ‘s復活について反対と思っていた穂乃果だったが、今は本当に復活してよかった、そしてこの8人の仲間は最高だと言う思いでいっぱいだった。

そのまま9人は控え室へと戻る。皆が笑顔であるがだいぶ疲れているようだ。

「さすがに今日は疲れたね…」絵里の言葉に真姫も続く。

「大丈夫と言いたいところだけど、私も今日は少し疲れたかなぁ」 すかさずそこへにこが口を挟む。

「何言ってんのよあんたたちは。だらしないわね」 意地を張るように言ったにこであったが、にこもだいぶ疲れが見て取れる。

それもそうだBiBiの3人はμ‘sと合わせて2時間ちかくも炎天下の中でライブをしていたのである。

そこに穂乃果が全員に向けて行った。

「疲れたけど、でも…本当に楽しかった。μ‘sをやってて本当によかった。最高の時間だったよ」 その言葉に全員が笑顔でうなずいた。

μ‘sのファイナルライブまであと少し、この日の大学ライブは全員が満足のいく最高のライブであった。

続く

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