その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-014 ライブに向けて⑤(103)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-014 ライブに向けて⑤(103)

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-014 ライブに向けて⑤(103)
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ラブライブ! 2nd Season

ラブライブ! 2nd Season Blu-Rayより

皆がにこに注目する。

「もう一回言うわね。でさぁ、 どうすんのよ!μ‘s よμ‘s!何も決めてないじゃない!」

にこが声を荒らげていた。

本来の目的を忘れそうになっていたが…今日は女子会ではない。

間近に迫っている大学ライブの打ち合わせのために集まったのである。

最初に口を開いたのはことりだった。

「衣装のデザインはもう完成しているから大丈夫だけど、できるなら何人かに制作を手伝ってもらいたいかなぁ」

「もちろん衣装作りはみんなで手伝うわ。安心してことり。

それより曲よ曲!曲を決めないことには練習もできないじゃないのよ。

それに練習場所よ!9人で集まって練習もしないとでしょ!」

にこがさらに声を荒らげていた。そこに真姫が言う。

「来週の土日は音乃木坂の講堂で練習できるよ。先生にお願いしたらオーケーだって」

「さすが真姫ちゃんや。早くも新生党会長としての権力を存分に発揮してるにゃ」

「よっ、新生徒会長!やるやんか真姫ちゃん」凛と希は揶揄するように真姫に言った。

「何よ、その含みのある言い方は…まぁいいけど…にしても少し練習時間が足りないよね。いくら私たちとは言え、もう少し練習する時間と場所が欲しいね」

そこに絵里が言う。

「本番当日の午前中であれば、うちの大学で練習できるけど…でも、当日は離反程度で済ませたいよね」

その言葉に皆がうなずく。するとスマホをいじっていたことりが全員を見つめて言う。

「ねーみんな、それなんだけどね。今お母さんにお願いしてみたの。

音乃木坂の部活動は原則として夜の19時以降は禁止って決まっているけど、今回は特別に19時以降、21時までなら講堂を使って練習していいって!

えりちゃんと希ちゃんとにこちゃんには学校の後に音乃木坂まで来てもらわないとだけど… 3人には少し苦労かけちゃうと思うけど、これでライブまで毎日練習できるよ!」

そういったことりに対し、穂乃果が歓喜の声を上げてことりに抱きついた。

「うわー、ありがとうことりちゃん!」

他の皆もμ‘sとして練習できる場を確保できて安堵の表情を浮かべる。

「さすがは理事長の娘やね。ことりちゃんに感謝やね。持つべきものはってやつかな」

希が言った。そうμ‘sの9人にとってOGの3人が卒業してもう音乃木坂にいないため、1番の問題は練習場所だったのだ。

それがことりのおかげで一気に解決したのである。

「うー…穂乃果ちゃん苦しいよー…離れて…」

ほのかに抱きつかれ呻き声を上げることりだが、その顔はうれしそうである。

そこをにこが言う。

「ことりのおかげで何とかなったわね。ありがとうことり。それにしてもさぁ…あんたたちいつまでもベタベタくっついてて、まるで付き合ってる恋人みたいじゃないのよ。私と真姫のこと言えないわね」

それに反応したのは穂乃果だ。

「えっ、何言ってるのにこちゃん。そんなことないよ。私とことりちゃんは幼なじみの友達だけど、にこちゃんと真姫ちゃんはラブラブの恋人じゃん」

それを聞いていた真姫は、にこに対してどうしてわざわざ自分からネタにされることを言うのだろうかと呆れ気味であった。

「あんたこそ何言ってんのよ。あんたたちも似たり寄ったりじゃないのよ!」

「そんなことないよ。ねぇ、真姫ちゃんそうだよね?」

穂乃果は真姫に振る。

「なんで私に振るのよ!知らないわよそんなこと!」

この言い争いというか、にこと真姫が付き合っていると言うのはいつものネタなのだが今はそんなことをしている場合ではない。

見かねた希が仲裁するかのように割って入る。

「まぁまぁまぁ…事実は小説よりも奇なりって言うやんか。誰と誰が付き合ってたって別にいいと思うよ。それよりほら、話し続けるよ」

さすがに希に間にはいられてはにこも穂乃果も真姫ももはや従うしかなかった。

逆らえばワシワシの形にされるのは目に見えており、3人はおとなしく希の話に耳を傾ける。

「それでね、ツバサにライブのおおまかな予定を聞いてきたんやけど、午前中はバンドのライブで、午後がアイドルのライブなんやって。

アイドルのライブは総勢10組が出るそうで13時からスタート。

μ‘sは9番目の出演で16時30分からの予定、トリのA– RISEが17時からBiBiがオープニングで13時からの出演、各30分って予定だからMCとかも含めて考えると4~5曲ぐらいは必要かな」

希の説明に対し、真姫が疑問を呈する。

「ちょっと待って、BiBi出るの?私聞いてないんですけど…」

「あ、ごめん。真姫に言うの忘れてた。ツバサに頼まれてBiBiも出ることになったの」

絵里が言った。そこに凛が言う。

「真姫ちゃん、ハブられてるの…?」

「そんなわけないでしょ…馬鹿なこと言わないでよ凛」

「そっか、ならよかった」そう、そんな事は無い。

ただ単純に絵里の言い忘れである。

ではなぜにこは知っているかと言うと、にこはその場にいたからである。

ここ最近、にこは学校が終わると絵里と希の大学に遊びに行くことが多いのだ。

以前にツバサと仲良くなりたいと言って、改めて絵里にツバサを紹介してもらい、それ以来頻繁に駿女に通っているのだ。

「という事は絵里ちゃん達はこの日、μ‘sとBiBiとで合わせて10曲近くやるわけでフルライブに近い感じじゃん」

花陽が少し心配そうに言った。

「まぁそういうことになるわね。μ‘sの練習が全くできてなかったから、BiBiの出演については悩んだけど、ツバサに頼まれたら断れなかったのよ」

「問題ないよ絵里。両方ともバッチリやろう!」

真姫が答えるように言った。再び花陽が言う。

「でも体力は大丈夫? μ‘sの時にバテないでね」

「花陽、私を誰だと思ってるの?宇宙ナンバーワンアイドル矢沢にこよ!大丈夫に決まってるでしょ、安心しなさい!」

そう言い張るにこであるが、内心は不安もあった。

BiBiではすでにフルライブの経験もある。

だが、なんといっても大学ライブは夏、しかも野外、炎天下の中でのライブが予想されている。

否応でも多少の不安は拭えないBiBiの3人であった。

続く

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