その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-010君の名は⑤(68)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-010君の名は⑤(68)

音乃木坂図書室 司書

こうして3つのユニット名の案が出揃った。

もう言わずもがなで決まりだろう。

・μ'Girls (にこ案) ・ボルシチマトリョーシカ(絵里案) ・μ'sicforever (希案)

穂乃果が言う。 「希ちゃんのアイディア、それいい!凄く良いね。μ‘sicforever!かっこいいし、ミュージックとμ‘sを掛け合わせていて、とても良いと思う。私はμ‘sicforeverがいいと思うな」

それを聞いて揶揄するように希が言う。

「あれ、穂乃果ちゃんは、絵里ちゃんのボルシチ・マトリョーシカが推しやなかったっけ?」

「えっとそれは…希ちゃん、私が間違ってました…」

絵里のことが大好きな穂乃果でさえ、絵里の案の意味を知った今では、受け入れがたいものであった。

希は今日、絵里を一緒に連れて来なくてよかったと心の中でつぶやいていた。

「穂乃果ちゃんは本当に素直やねー。

うちの案なんやけど、6人としての新しいユニットやから、完全にμ‘sからは離れてもいいなとも思ったんよね。

でもμ‘sがあったからこそ今があるわけで、逆に堂々とμ‘sってユニット名に入れてもいいかなぁとも思って。

そこでμ‘sの意思を継いでその思いは永遠に、私たちの音楽はずっと変わらずにあり続けるって意味でミュージックμ‘sicforeverって名付けてみたんだ」

希の案に皆が納得顔でうなずく。

そこへ真姫が言う。
「確かにそうね…直接μ‘sって言ってるわけではないし、μ‘sicっていうのはすごいセンスが良いと思う。やっぱりなんだかんだで私たちはμ‘sなんだなって思うこともあるし…うん、私もμ‘sicforeverが良いと思う!」「

素敵なユニット名だね。私も賛成だよ」と言ったのはことりだ。

そして凛も続く。「さすが希ちゃんにゃ!μ‘sの後の凛たちにぴったりにゃ!」

「うん、私も!じゃぁ希ちゃんのμ‘sicforeverに反対の人はいる?」 

部長の花陽が全員の顔を見回していた。

もちろん反対の者などいない。そこに海未が言う。

「1つ提案なのですが、少し長いなと思ったので表記はμ‘sicforeverを略してμ‘sicfなんてどうでしょう?」 

「何か引き締まった感じで良いね。私賛成!」

海未の提案に穂乃果が声を上げた。

他のメンバーも同様に賛成する。

そして花陽が部長としてみんなをまとめるように言葉を発した。

「あぁ、コホンッ…いいでしょうか皆さん。長らく続いていたユニット名問題について、ついに終止符が打たれる時がやってきました。

私たちの新ユニット名はμ‘sicf(ミュージック・フォーエバー)に決定しました!μ

‘sの意思を継いで、その思いは変わらない…

私たちの新しい物語、μ‘sicforever!今日からスタートだよ!!」

花陽の演説かのように力がこもった発表に全員が声を上げて湧く。

その様子を笑顔で希は見守る。4月から早2ヶ月弱、ずっと決まることなく時間だけが過ぎていった中、ようやくの事6人での新しいユニット名は決まった。

その名前はμ‘sicforever。

このユニット名には希の思いが、そしてOGの3人の思いを込めて名付けられていた。

μ‘sは一時的に復活することになったとは言え、アキバドームでのライブが終われば、またその活動は終わりを迎える。

でもμ‘sを忘れたくない。μ‘sは終わったとしても、その思いを音乃木坂に残ってスクールアイドルを続ける6人の後輩に託して、今まで以上に輝いてもらいたい。

私たち3人はもういないけど、卒業した3人の思いは常に皆の側にあるからと…
そういう思いを込めて希はμ‘sicforeverと名付けたのである。

あった。

「決まりにゃー、今日から凛たちはμ‘sicfにゃん!」凛は喜びを全身を使って表現する。

穂乃果とことりもうれしそうにしている。

海未と真姫と花陽はようやくユニット名が決まったことに、安堵の表情を浮かべている。

「ふふふ…あっという間に決まってもうたね」希の言う通りだった。

希が来てからのわずか数10分で決まったのである。

そこへ穂乃果が言う。「希ちゃんありがとね。あ、そうだ希ちゃん。6月の学園祭って来れる?今年はスクールアイドル部で2時間講堂が使えるんだ。もちろん私たちのμ‘sicforeverも出演するし、一年生も出るしそれにゲストでBiBiも出演してくれるんだけど、それでね、希ちゃんの予定が大丈夫であればμ‘sとしてもライブをしたいなと思ってて。どうかなぁ?」

「あかん…ごめん穂乃果ちゃん、その日は大阪からこっちに両親が来ることになっとるんよね」 希の言葉に穂乃果は少し残念そうに返す。

「そっかー…それはしょうがないね。せっかくお父さんとお母さんが来てくれるんだもんね。じゃぁμ‘sの学園祭出演は無しで。でもアキバドームでのライブ前にμ‘sとしてライブやりたいなぁ」

「だったら代わりと言ったらなんやけど、よかったらうちの大学の学園祭に出ちゃう?7月の頭やけど、アキバドーム大会に向けてやるライブとしてはちょうど良いかもね。多分A-RISEも出るし」

「え本当に?μ‘sで出れるの?」「

うん、まだ確定ではないけどね。μ‘sなら大丈夫やと思うよ。知名度と人気もあるから、お客さんも呼べるし」

「やった!希ちゃんありがとう!」

穂乃果は間髪を入れずにうれしそうに希へと飛びついた。

全力で希を抱きしめる穂乃果。

「ほ、穂乃果ちゃん…苦しいって…」

「あっ、ごめん、嬉しくてつい…へへと」μ‘sとして音乃木坂の学園祭には出演できないものの、代わりに希の通う大学でライブができそうであった。

大学でのライブとなれば音乃木坂の講堂とは比べようのない大きな規模でのライブとなるだろう。

本番前のライブとしてはこれ以上ないものである。

穂乃果以外のメンバーも大学でのライブができそうなことにみんなうれしそうであった。

「じゃぁ、うちはもう帰るね」「えっ、もう帰っちゃうの?」 

引き止めるような口調で穂乃果が言う。

「あぁごめん、今日はこの後バイトなんよ」そういった希は、みんなにまたねと告げて部室を後にした。

本当にチラッと寄ってみたと言う感じの希であった。

だが希のおかげでユニット名も決まり、大学ライブにも出演できそうであり、やはり希の存在は大きかった。

「よし、打ち合わせが終わりだね。私たちも屋上行って練習しよう!」と花陽が言い、穂乃果以外の4人はうなずいた。

だが穂乃果は…「みんな先に屋上行ってて。私は少し用事があって、後から行くから…ごめんね」そう言って穂乃果は1人だけ別の方向へと歩いて行った。

穂乃果にはどうしても気になることがあったので

続く

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