その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる EP-022 夏の景色を探して、④ (174)


ラブライブの続きを勝手に考えてみるEP-022 夏の景色を探して、④ (174)

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみるEP-022 夏の景色を探して、④ (174)
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ラブライブ! 2nd Season

ラブライブ! 2nd Season Blu-Rayより

にこが真姫の家でピアノのレッスンを受けている頃…

北海道旅行中の絵里と希はツバサと合流し、札幌駅へと到着していた。

札幌は北海道最大の都市であり、観光地として国内外問わず、多くの人が訪れる場所だ。

初めて来た北海道の札幌にハイテンションの絵里そして仕事以外では初めて来た。ツバサも興奮気味だった。

「北海道最高!ねぇ見てよ、空がこんなに青く澄んでいる!さすが北海道!ハラショー!」

絵里が言った。

ちなみにただ晴天なだけである。

「夏は初だけど、うんっ、全然涼しくないというか、暑いっ!」

ツバサが言った。駅を出て早々にうるさい。2人

「うん、本当に暑い…ロシアとあんまり変わらないかと思ってたけど…これじゃ東京とほとんど同じだね」

「おっ、さすがロシア人の絵里ね。!」

「ツバサ、私は日本人だけど」

「似たようなもんでしょ。ロシアの夏は暑くないの?」。

「私がいたところは全然暑くないよ。何で日本ってこんなに暑いのかなぁ」

「それはね、それだけ私たちが太陽に愛されてるからよ!」

「おお…なるほど」

頭が良いのに馬鹿な会話をする2人。

(3人が通う駿河台女子大は都内でも有数のランク上位大学)

夏の北海道は日中に限って言えば、それこそ東京と変わらない位暑いのだ。

だが、東京とは違って、湿度が高くない分、また違った暑さで、東京よりもはるかに過ごしやすくはある。

逆に夜なんかは上着が欲しい位涼しくなる時もある。

それはさておき、おバカにははしゃぐ2人を見て希が言う。

「ねぇ…浮かれるのもわかるけど、とりあえず先にホテルでチェックインしようよ。荷物も邪魔だし、一息つきたいし」

希の言葉に2人はうなずきホテルへと向かう。

まだ午後の2時だが、チェックインを済まし、一息ついた後に3人は再び札幌駅前に来ていた。

時刻は13時

ここまでずっとうるさいツバサが言う。

「ねぇねぇ、どこ行く?どうする?何する!?」

変わらずハイテンションのツバサに絵里が言う。

「私ここ行きたいの、六花亭ってお店」

「よし、行こう!で、それ何?」

六花亭とは北海道で有名な洋菓子の店だ。

駅からも近く3人は六花亭に向かった。

店内でも飲食できるようになっており、3人はおいしいスイーツを堪能する。

そして北海道に来たばかりだと言うのに、大量のお土産を買い込んでいた。

「あー美味しかった、次はどうする?」

ツバサが言った。

「そうねぇ、私時計台を見に行きたい!」

「オーケー、時計台ね、行くわよ!で時計台ってどこ?」

「えーっと、多分あっちの方かな?」

適当なことを言う絵里。

絵里の言うあっちには、何もない。

絵里は割と迷子になることが多いのだ。

「えりち時計台はこっちだよ。この道をまっすぐ行って…」。

「希、案内よろしく!」

ツバサが言った。

希は昔札幌に住んでいたこともあり、2人よりもはるかに地理に詳しかった。

希は2人を案内するように歩いて行き、徒歩数分、時計台へと到着した。

「これが時計台か。うん、普通ね」

「そうね。特に面白味もないわね」

失礼なことを言いたい放題のツバサと絵里。

「あのなぁ2人とも。時計台は中にも入れるし、もう少し時代の背景とかを…」。

「よし、次行こう次!」

希が説明しようとするが、ツバサは次と言って歩き出す。

時計台の観光わずか1分で終了…

外から見ただけと言う3人であった。

それにしても、この3人はとても良い組み合わせなのだろう。

自由奔放なツバサに、天然の絵里、そして冷静な希。

ツバサの事をうるさいと思うこともあるが、そんな2人も一緒にいるとツバサに触発されて、普段より口数が多くなっている。

相乗効果とでも言うのだろうか

μ'sに入って別人のようになった絵里と希は、ツバサとともに大学生活を送ることによって、また違う変化を実感していた。

3人はそのまま歩いていると、人混みで溢れている場所が視界に入ってくる。

「あれは大通公園やね。夏の間はビアガーデンやってるんよ」

大通公園と言えば、冬の雪祭り、そして夏のビアガーデンが有名であり、大勢の人で賑わうイベントである。

そこには各ビールメーカーのブースが設置されていて、様々なビールが楽しめる。

大人には最高の場所だろう。

何より札幌の心地よい青空の下でのビールは、外で飲むのとは、また違った味があり、良いものなのだ。

「えっ、ビアガーデン?いいねぇ、行っちゃう?」、

悪そうな笑みを浮かべてツバサが言った。

「さすがにそれはまずいんちゃうかな…」希が言った。

「大丈夫よ。絵里も希ももう19歳でしょう!」

大丈夫ではない。飲酒は20歳からだし、絵里に至ってはまだ18歳である。

だが、このぐらいの年齢、特に大学生とかならば本当はだめだけど、飲んだことある人も多いの男は事実だろう。

それに加え、絵里はロシアで長いこと生活していたので、お酒に対する感覚が日本人とは少し異なっていた。

「いや、あかんでしょ…お酒は20歳からやし、そもそも超人気アイドルのツバサが飲酒してばれたら大変やろ」

「バレなきゃ平気だって。もうてゆうか、もう18歳からでいいじゃんて思うけどね。とりあえず行ってみよ!」

そう言って、ツバサは2人の背を押すようにして、サッポロビールのブースへと向かった。

広いスペースに設置された簡易的な椅子とテーブルでは、たくさんの人が楽しそうにビールを味わい盛り上がっている。

夏休みとは言え、平日の昼間であるにも関わらずにである。

観光客はもちろんの事、地元の人もたくさん来ているのだろう。

ツバサがノリノリで2人に言う。

「じゃぁ私が買ってくるから、2人は座って待っててくれる?」

希が止める間もなく、ツバサは列に並んでいた。

気のせいかサングラス越しのツバサの瞳が輝いていたように見えた希が言う。

「大丈夫かなぁ。?」

「えっ何が?大丈夫って何か問題でもあるの?」

絵里の返事に、希はさっきの自分とツバサの会話を聞いてなかったのかなと内心つぶやいていた。

「えりちはお酒飲んだことあるの?」

「うん、あるよ。ロシアは寒いから体を温めるために強いお酒を飲んだりするから。子供はほとんど飲ませてはもらえないけどね。」

「そうなんや。えりち、うち実はねー…」と希が何かを言おうとした途中で、ツバサが笑顔で戻ってきた。

「お・ま・た・せー!わーいっ、超楽しいね。ふふふっ」

ツバサの手には3人分のサッポロクラシックビールとともに、ウインナー盛り合わせやポテトなどのおつまみもしっかりと持たれていた。

「はいじゃぁ、かんぱーい!」ツバサの乾杯の音頭で3人はビールを口にする。

どうやらツバサは随分と飲み慣れている様子だ。

きっとライブの打ち上げとかでそういう場面も多いのだろう。

だが、ツバサ以上に絵里と希も、初めてではない飲みっぷりであった。

「うん、冷たくておいしいねー」

「おっ、絵里は初めてじゃないね、その慣れた飲みっぷりは!」、

「ツバサこそ慣れてる感じがするけど?」

「私はほら、うちのあんじゅちゃんがね、ふふふっ」

と言う会話をしている。絵里とツバサをよそに…

「あっ、お姉さん、おかわりくださーい。!」

売り子のお姉さんにビールを追加注文する希。

“え?“と絵里とツバサが希を見ると、すでに希の紙コップは空になっていた。

先ほど希が絵里に言おうとしたこと…それは“うち、実はね、お酒めっちゃ好きなんだよね。“と言うことだった。

希は一人暮らしをしているが、希のマンションの隣には祖父母が住んでおり、一緒に夕飯を食べることも多く、こっそり祖父母と晩酌することが度々あるのだ。

このときはまだ知らないことだが、希は飲んでも全く変わらない位、お酒が強いのであった。

そして絵里とツバサもかなり強かった。

ちなみにこの先、3人は成人してからよく一緒に飲むことになるのだが、それはもう少し先の話である。

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