その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-015 その先にあるもの③(108)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-015 その先にあるもの③(108)

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-015 その先にあるもの③(108)
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ラブライブ! 2nd Season

ラブライブ! 2nd Season Blu-Rayより

しばらくしてすっかり穂乃果の機嫌も良くなっていた。

ことりから与えられた餌ではなく、お菓子を食べ終えた後は、自分で持ち込んだお菓子を食べている。

まるで遠足に来た子供のような穂乃果をよそに真姫が最終予選の展望を花陽に尋ねた。

「それで実際のところ、花陽はどう予想するの?」 

すると、花陽の目が光と輝く。

真姫の頭位にスイッチが入ったのだろう。

かけてないのにメガネの縁を上にずらすような仕草をし、アイドルモードに入った花陽は語り始めた。

「真姫ちゃん、よく聞いてくれました。実は私もいついようかと悩んでいたのです。

でも必ず誰かに聞かれるだろうから、あえて自分からは言わないようにしたのです。

だけど、もし誰も聞いてくれなかったらどうしようと言う葛藤もあり…

今日学校出た時からずっと考えていたのです。

そしていざ会場の近くまで来ても誰も聞いてくれない…

私はどうすればいいの?と思っていたのもつかの間、中華街の話が出てきまして…」

と途中まで花陽が言ったところで遮るように真姫が割り込む。

「いいから早く言いなさいよ。前置きが長いわよ」

当時アイドルモードの花陽は前置きが長くなったりうんちくをダラダラと語る癖があり、一向に話の本題に入らないと言うことが多々あるのである。

膨れっ面をしつつ、花陽は話を続ける。

「むぅ…邪魔が入りましたね…まぁいいでしょう続けます」

仲の良い友人を邪魔扱い…さすがアイドルモードである。

「えーっと…最終予選から決勝大会へと進めるのは、たったの4チームだけです。

これは関東地区のエントリー数カラスすると、かなりの難関と言えるでしょう。

何しろ関東地区はエントリー数が100チームを軽く超えていますから、その中で勝ち残っている20チームですので、正直どこが勝ち進んでもおかしくはないと私は思っています。」

「1000チーム以上もエントリーしてたんだー…」「とんでもない数ですね…」

花陽の言葉にことりと海未が思わず言葉を零していた。

スクールアイドル、そしてラブliveの人気がすごいのはわかっていたが、改めてその数の多さを聞いて、皆驚きを隠せなかったのだ

「はい、正確には1200くらいだったかと…ラブライブは1つの学校から複数のユニットがエントリー可能ですので、それこそスクールアイドルが盛んな学校では、10チームとかのエントリーもあるでしょう。

ただ予選参加にはオリジナル曲のみとなっていますので、エントリーから1時予選までに数はまた減りますが、それにしても多いと思います」

「そうだったんだ…すごいねラブライブって…」

凛もその数の多さに真顔でつぶやいていた。

「今はスクールアイドルはものすごい人気です。

ラブライブ決勝の舞台は男子高校生で言う野球の甲子園みたいなものなのです。

そしてA– RISEや私たちμ‘sを始め、スクールアイドルはプロのアイドルにも負けないぐらい人気があり、今注目されているのです。

そんな中で東京を中心とする関東地区予選は大激戦区なのであります!」

部員一同熱く語る花陽の言葉に耳を傾けていた。

そして穂乃果が核心を突く質問をする。そうRay-OGについてだ。

「それで花陽ちゃんから見て、Ray-OGの3人はどうなの?」

その言葉に花陽がこくりと頷くと、水を1口飲み、全員を見渡す。

皆が花陽の言葉を待っていた。

「そうですね。私の予想だと4チーム中、3チームはもう固いと思っています。

1時二次予選の上位3チームです。

1つは昨年もエントリーし、私たちμ‘sと東京大会予選を争った押上ST高校のミmilkey way、そして前回決勝大会で好成績だった横浜女学院のSnowdrop、さらに大本命がA– RISEの後輩UTエックス高校のCestlaviです。

この3チームは人気も実力も他のユニットより頭1つ抜けていると私は思います。

なので実質残り1枠をかけての戦いになるかと。

その1枠を狙うのは、前回ともに決勝大会に出場した埼玉のI wish、千葉のSinging in the rain、そして我らがRay-OGだと思います。

あくまでこれは私の予想なのでどうなるかは分かりませんし、全チーム決勝大会進出のチャンスはあると思います。

ただしRay-OGを間近で見ている私からすれば、彼女たちの実力はナンバーワンといっても過言ではないと思っています。

経験と言う部分では他のチームに比べて不足しているかもしれませんが、それを補って余りある位のパフォーマンスのクオリティーの高さは一番だと思います。

だからRay-OG、決勝大会進出に期待大です!」

花陽の言葉は力強く、そして説得力のあるものであった。

Ray-OGの3人は誰よりも早くユニットを結成し、活動してきた。

毎日遅くまで練習し、高坂家でも練習や打ち合わせをして努力していた。

その姿を全員が目撃している。

花陽の言う通り、経験不足は否めない。

知名度においても、学園祭ライブの動画が話題になったとは言え、まだまだ先ほど名前の出たユニットには及ばないだろう。

だが…それ以上に彼女たちのパフォーマンスのクオリティーの高さを花陽を始め、音乃木坂スクールアイドル部一同は全員が知っており、誰もが認めるものであった。

きっと彼女たちならやってくれるはず…皆がそう思っていた。

「かよちんが言うなら間違いないにゃ」

「そうね花陽が言うならその通りね」

凛と真姫はそう言って笑顔を見せる。

3年生や他の1年生も同様に。

そうこうしているうちに気づけば、会場内は観客で満杯となっていた。

ライブを待ちわびる声が至るところから聞こえてくる。

平日にも関わらず会場には一万人を超える人がスクールアイドルのライブを見たいがために集まったのだ。

最終予選、まもなくスタートである。

続く

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