その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-020心を重ねて⑥(155)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-020心を重ねて⑥(155)

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-020心を重ねて⑥(155)
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ラブライブ! 2nd Season

ラブライブ! 2nd Season Blu-Rayより

こうしてμ'sは9人になったんだよね」

「うん、そして9人になったその後もいろいろあったよね」

穂乃果の言葉に、ことりがうなずいていた。

さらに絵里が続く。「いろいろと言えば真姫がいつまでも素直になれなくて… 1人だけ浮いている感じで本当に困った子だったよね。それで私たちはなんとかしないとって思ったんだよね」

「そうだったっけ…私は今と変わらないけど…」

「ふふふ…相変わらずだよね真姫は」絵里が言った。

「でも…合宿で真姫ちゃん含めて9人が本当に打ち解けたんよね」

希が言った。

絵里たち年長組は、真姫がそして全員が、本当の意味で打ち解けるように考えたのだ。

そのため先輩後輩ではあるけど、お互いに敬語は無しとし、みんなの距離を縮めたのである。

また真姫の別荘は人数分の個室があるにもかかわらず、リビングで9人全員で寝たりと、仲を深めるために行動した。

9人がここまで仲良くなり、強い絆で結ばれたのは絵里らによる功績が大きかったのだ。

「その後はみんなでラブライブ出場を目指して活動してきたけど、学園祭ライブで穂乃果ちゃんが倒れちゃったんだよね」

「あの時はごめんね。私全然周りが見えてなかったんだ……」

花陽の言葉に、穂乃果はみんなに謝るように言った。あの頃の穂乃果は自分のやりたいことに夢中になりすぎるあまり、周囲が全然見えておらず、自分の体調管理にも失敗し、学園祭ライブで倒れてしまうと言う失態を犯していた。

その結果、エントリーしていたラブライブも棄権し、さらにはことりとの喧嘩によってμ's消滅危機にまでなってしまったのだ。

今考えても穂乃果にとっては苦い思い出の1つである。

「それでね、私の留学の話で穂乃果ちゃんと喧嘩しちゃって…」

ことりが言った。

「そうでしたね、私もあの時はどうしようかと思いました。μ'sを辞めると言ってふてくされている穂乃果に頭に来て、思わずフルスイングで頬を叩いてしまいましたから」

海未の言葉に穂乃果は頬を抑えながら笑顔で言う。

「あの海未ちゃんのビンタは効いたなぁ…でもあれのおかげで目が覚めたんだ」

ことりと喧嘩し、留学に向けたことりとは会うことも話すこともなかった穂乃果はヤサグレた状態であった。

だが穂乃果の本当の気持ちがわかっていた海未は、穂乃果に手を挙げた。

それは親友としての優しさから来るものだった。

穂乃果もそれを理解し、目を覚ましてことりを止めに走ったのだ

「出国直前に、穂乃果ちゃんが止めに来てくれてすごい嬉しかった。涙が止まらなかった。私もまだ穂乃果ちゃんと、μ'sのみんなと一緒にいたいって本当は思っていたから…」

「私もことりちゃんと一緒にいたいと思った。だからことりちゃんが日本に残ってくれて本当によかった。ことりちゃんありがとねー」

穂乃果の言葉にことりは笑顔でうなずく。

穂乃果だけではない。

全員が、ことりが日本に残ってくれて嬉しかったのだ。

「そして再び私たちは9人で、ラブライブを目指して頑張ったよね。東京予選ではA– RISEに勝って、決勝大会に進出した。

多くの人の応援と支えがあって…そして私たちμ'sはラブライブ優勝を果たした…」

今言ったように穂乃果はよく口にする。

μ'sは多くの人に支えられてきた。

多くの人のたくさんの思いが詰まったもの、それがμ'sなのだと。

自分たちだけでは決して成し得る事はできなかったであろう。

でも多くの人の支えと力によって、μ'sはさらに大きくなりラブライブ優勝を遂げたのである。

「それでμ'sは終わりと思っていた。でもニューヨークでのPRライブがあったりして…それに私の中ではまだμ'sは終わっていなかった。

いや…終わらせたくなかった…っていうのが正しいかな…」

真姫が言った。

その思いは、μ's最後の曲となった僕たちは1つの光に全て込められていただろう。

「そうね…スクールアイドルのみんなでライブをやって、そこでμ'sは終わり…終わりになるはずだったのよね…」

にこがしみじみとした口調で言った。

「少し話が戻りますけど、私は9人で海に行ったことが今でも忘れられないです。

冬の海でみんなで見た夕日の記憶」海未が言った。凛も続く。

「うん、みんなで遊んで、海に行って…証明写真で無理矢理9人で写真を撮ったよね…」

「その後、全員駅のホームで大泣きしたよね。懐かしいなぁ…」花陽が言った。

あの日9人で見た海。そこでμ'sは終りにすると最終的に決めたのだ。

9人にとって絶対忘れられない思い出だろう。

「それでみんなで終わりと決めたμ'sやったけど…」

「私の中でまだμ'sが終わっていなかった…そしてアキバドーム大会のゲスト出演の依頼があって…」

希の言葉を継ぐように真姫が言った。

終わりと決めたμ's。

皆で終わりと決めた。でも物語はまだ終わってなかった。

「そしてμ'sは再び始動した。もうスクールアイドルでは無いけど、私たちが愛したμ'sとして今一度、ラブライブの舞台に立つために… A– RISEを始め、多くの人に背中を押されて…そして昨日のアキバドーム大会がμ'sのファイナルライブとなった。こうして私たちμ's 9人の物語は終わりを迎えたんだ」

穂乃果は言った。“μ's 9人の物語は終わった“と…

はっきり口に出して、今一度μ'sが終わったことを確認するように…

「本当にあっという間だったね。μ'sとしての1年数ヶ月…

すべてのことが昨日の出来事のように鮮明で最高の毎日だった。

昨日のライブも最高だった。でも昨日は少し感情的になっちゃったね。ライブでたくさん泣いちゃったし…」

絵里の言葉にみんながうなずく。

そして穂乃果が言う。

「そうだね…ライブ中は私以外大号泣だったもんね。

それだけみんながμ'sを好きってことだから、私はそれが嬉しかったよ。

絵里ちゃん、昨日はありがとう…帰り道、私が泣きそうなのよくわかってくれたよね…?

だから今日、こうしてみんなで遊ぶことにしてくれたんだよね?」 

「うん…そうだよ。穂乃果、今日大丈夫…?」 

「うん大丈夫だよ。ありがとう「

穂乃果はうなずいて夜空を見上げる。

μ'sのことを噛み締めるかのように…そして再び皆へ向けて話しかける。

「私から最後に一言ね。μ'sはやっぱりこの9人でμ'sなんだなーって、改めて思ったんだ。誰か1人でもいなかったら、それはμ'sではなかったって私は思う。こうしてここまでみんなで歩んでくれて、本当に良かったと思ってる。

みんなでたくさん努力して、たくさんの思い出ができて…たくさん泣いて、たくさん笑って。

時にはけんかもした…みんなと共にした時間は、私にとって一生忘れることのない大切な時間だったよ。

前にも言ったけど、私は本当にこの8人のみんなが大好き… μ'sは終わったけど… μ's 9人の物語は終わったけど…みんなとはずっと一緒だよ。

私たち9人の物語は終わりじゃないし、終わらない…この先もずっと続いていくから…みんな今まで本当にありがとう…そしてこれからもよろしくね」

穂乃果は言った。μ's 9人の物語は終わったけど、9人の物語は終わらないと… μ'sを作った穂乃果から、μ'sのメンバー8人へ… μ'sへの最後の言葉だった。


9人は芝生の上で手をつないで寝そべりながら美しい夜空を見上げている。

全員が皆充実したとても良い笑顔である。この先お互い別々の道に進み離れてしまうこともあるだろう。

でも穂乃果の言った通り9人の思いはずっと一緒である。心を重ねて共に歩んできた9人の絆は一生変わる事は無い。

大切な仲間、大切な友人である国それはどんなものよりも大切なかけがえのない宝物である。

こうして9人でのμ'sの物語は終わりを迎えた。

20××年8月1日μ's解散

続く

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