最強決定戦に勝利したものの

七つの魔剣が支配するIII


七つの魔剣が支配するIII

宇野 朴人(著)

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宇野 朴人(著)

淫魔の末裔オフィーリア。

キンバリー地下迷宮2層にて、1年生最強決定戦での戦いに勝利したオリバー達。

だが1層に戻ろうとした時、彼らは恐ろしい魔法生物の合成獣集団に襲われてしまう。

必死に逃げるも、ピートと対戦相手の二人が捕らわれてしまった。

校舎に戻ったオリバーらはすぐに上級生の学生統括・ゴットフレイに状況を説明する。

しかし、すでに多くの被害報告が上がっており、その原因も特定されていた。

それはオフィーリア=サルヴァドーリが魔にのまれたからだった。

事態は想像以上に深刻だった。

キンバリーにおいて危険人物。

サルヴァドーリの家系は指折りの歴史を誇る名門で、オフィーリアは淫魔の末裔であった。

ピートを救出すべくオリバー、ナナオ、シェラに加え、蛇眼のミリガンと共に地下迷宮奥へと向かう。

ミリガンはある取引と引き換えに案内するが、罠や合成獣が彼らの行く手を阻んでいた。さらにはキンバリーで最も危険な人物である、死霊使いまでもが彼らの前に立ちはだかる。

一方で攫われたピートはその特異体質が故、強烈な惹香に屈する事なくオフィーリアの元から脱出を試みるが...

彼らは再び会えるのであろうか...

シリーズ第3弾。

今作では無力に近い自分たちに苦悩しながらも、友人を救うため行動し、成長していく1年生と、逃れることのできない家系に生まれてしまった悲しき魔女を描いた物語だ。

その体質が故に、常に周囲から疎まれてきたオフィーリア。

そんな彼女と、幼馴染の存在、ゴッドフレイへの想い...

猟奇的で恐れられる存在ながら、一人の女性と抱く想いは切なくて悲しいものであり、最後のシーンでは間違いなく心を打つだろう。

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