その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる EP-021青い空に夏の匂いを⑥(162)


ラブライブの続きを勝手に考えてみるEP-021青い空に夏の匂いを⑥(162)

音乃木坂図書室 司書

ラブライブの続きを勝手に考えてみるEP-021青い空に夏の匂いを⑥(162)
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ラブライブ! 2nd Season

ラブライブ! 2nd Season Blu-Rayより

時刻はまもなく22時になろうとしている。

花火大会を満喫し、地元アキバに戻った6人だったが、まだまだこの日は終わらない。

秋葉駅の改札を出たところで穂乃果が言う。

「あー楽しかったね。花火大会は最高だよ!」

「花火大会じゃなくて、出店の間違いじゃない?」 と言うのは真姫である。

その言葉に皆がうなずいて笑う。

それもそうだ、あれだけ食べておいて、花火大会が終わって帰る前に、穂乃果は締めのバナナとか言い出して、チョコバナナを食べていたのだ。

しかも2本も…さすが穂乃果である。

「さて今日はもう解散かな?でも凛はまだ帰りたくなーい。にゃ!」

凛は以前にも同じようなことを言ったことがある。

どうやらまだ遊び足りないらしい。

「それじゃあ…夜遊びしちゃう!?」 

いたずらっ子のような笑みを浮かべたことりが言ったが、すぐに海未が返す。

「だめですよ、補導されたらどうするのですか?」 真面目な海未が正論を言った。

彼女たちはまだ高校生なのだ。

だが、夏休みと言うこともあり、凛以外のみんなもまだ遊びたそうな顔をしている。

「わかった!だったら外で遊ばないで、誰かの家に泊まればいいんだ。!」

「穂乃果ちゃん、ナイスアイディア!さすがです。!」

穂乃果の言葉に花陽が賛同する。

確かに遊ぶのは別に外でなくてもいいわけで、誰かの家に泊まれるのであれば、それに越した事は無い。

一同は自然に視線を真姫に向ける。

その視線の意図に気づいた真姫が言う。

「家は今日はダメよ。パパの病院関係の人が来てるから、さすがに無理ねぇ!」

「そっか…私の家じゃ6人はきついし、海未ちゃんには朝練でお世話になっちゃっているし…どうする?」 

ことりが言った。そこへ穂乃果が言う。

「じゃぁ私の家は?狭いけど、居間でなら6人で寝れると思うし、何とかなると思うよ。!」

その言葉に反対するものは誰もいない。

と言うことで、高坂家に泊まることになり、皆が家に確認、全員オーケーであった。

そこに凛がぼそっと言う。

「あ、でも着替えがないや、どうしよう。…」

確かにその通りである。全員、浴衣姿なのだ。

「Tシャツとかでよければ、私の貸してあげるよ」

穂乃果が言った。海未とことりも言う。

「私は一旦家に戻って、着替えてから行きますね」

「私も1回、家に寄ってくるね。11時前には穂乃果ちゃんの家に行くから、」

「ねー、ドンキ寄ろうよ。私は着替え買ってくるから」

と言うのは真姫だ。

真姫は御茶ノ水寄り、凛と花陽はアキバの反対口側に住んでいるので、少し穂乃果の家からは離れている。

一方、海未はすぐ近く、ことりは御徒町寄りだが、直線上にあるので、他の3人に比べると近いのだ。

「それではまた後ほど、穂乃果の家でお会いしましょう」

海未はそういってことりとともに、一旦家へと戻って行った。

他の4人は真姫の希望通り、何でも売っているディスカウントストアのドンキホーテへと向かった。

通称ドンキと呼ばれるこの店は、秋葉大通り沿いにあり、深夜遅くまで営業していて、老若男女問わず人気のお店である。

ドンキに着いた4人は、エスカレーターでそれぞれ目的フロアへと向かう。

そこでふと穂乃果が疑問を口にする。

「ねぇ、なんでドンキってドンキホーテって名前なんだろう?変な店名だよね」

真姫が答える。

「さぁ…ドンキホーテってもともとスペイン作家セルバンテスの小説だけど」

「え、そうなの?ドンキってなんかゴリラみたいだなぁって、私思ってたんだよね。ドンキーってそれっぽくない?」

「多分激安だから、現実離れしたって言う、比喩的な意味だと思うけど、確かに穂乃果の言う通りね」

なぜか納得する真姫。

店名の真相はさておき、2年生3人は女性服売り場へと来ていた。

店内にはオリジナルBGMが軽快に流れている。

“ドンドンドンドンキー”と口ずさみながら、真姫は服を物色していた。

「うん、質は置いておいて、やっぱりドンキは安いよね」

普段真姫がショッピングする時は、銀座のブランドショップや、代官山や南青山のおしゃれな店が多いのだが、意外にもこういう庶民的な場所も好きで、よく来ているのだ。

手に持つ買物かごには、下着やTシャツショートパンツが乱雑に入れられていた。

安いと言いながら、値段等は一切見ないでカゴに商品を入れているあたりは、やはり真姫である。

そんな真姫はかごも持たず、手ぶらで後をついてくるだけの凛と花陽に気づいて声をかける。

「あれ、2人は服買わないの?」

「今日、結構お金使っちゃったから…」

「うん、凛も穂乃果ちゃんがTシャツ貸してくれるって言うし。…」

真姫といると錯覚しそうになるが、この3人はまだ高校2年生なのである。

バイトもしておらず、お小遣いでやりくりしているため、真姫みたいに気軽に服を買ったりはできないのである。

そんな2人を見かねて真姫が言う。

「しょうがないわね、私が買ってあげるよ。私と同じ服でいいかな?」と言う真姫に対し遠慮する2人。

それはそうだろう。

いくら仲が良いからといっても、友達に服を買ってもらうなんて、普通に考えたらありえないことだ。

「そんな悪いよ真姫ちゃん…」

凛が言った。

「うん、申し訳ないし…」

花陽も言った。だが、真姫は全く気にしていない。

「いいわよ、そんなの気にしないで。ほら、私と同じ服、もうカゴに入れちゃったから」と笑顔で真姫が言った。

すでにかごには同じ服が3人分入れられている。

なんて良い友達なんだろうと思う凛と花陽。

ありがとうと思いつつ、カゴに入っている服を見て2人は思っていた。

この服ダサイと…だが、真姫の行為をむげにすることはできない。

花陽はややひきつった笑みを浮かべながら言う。

「ありがとう。真姫ちゃん、…」

同じく凛も苦笑いしながら真姫にお礼を言っていた。

こうして3人は着替えを購入したのであった。

その頃穂乃果はと言うと…別フロアの娯楽商品売り場へと来ていた。

何を買おうかと言うと…穂乃果は花火を物色していた。

花火大会へ行って、なおも花火を買おうとする穂乃果であった。

続く

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