安里 アサト(著)
レギオンを停止する術を発見し、2つの鍵が揃えば終わりの見えぬ戦いに終止符を打つことができる…
そんな希望が垣間見えてきた矢先、レギオンの2度目の大攻勢の予兆が確認された。
最優先で排除する必要があり、その背後にはキリヤ・ノウゼンの亡霊が見え隠れしていた。
シンは戦争を終わらせたいと願い、そしてフレデリカを犠牲にする道は選ばないと決意する。
その彼らの派遣先は海だった。
強力な海軍を所持する船団国軍からの要請で、陥落しかねない状況であった。
沖合300キロにあるレギオンの拠点、摩天貝楼に確認されたのは最強のレギオンである電磁加速法型… 各国を次々と破壊した兵器である。
これを排除しないわけにはいかない。
86の面々はかつてない海上での戦争へと赴いていく。
そこは地獄のような場所だった。
電磁加速法型だけでなく、その船自体がレギオンだったのだ。
さらに高機動型も多数舞う戦場、そして海には恐ろしい怪物の原生海獣がひしめき、過去に例を見ない犠牲を生む戦争が始まった。
人類、そして86の運命は…
シリーズ第8弾。
前作とは打って変わっての86らしい内容である。
前作から続くシンとレイナの煮え切らない関係には、もどかしさを覚えつつも、過去最大級、海上での戦闘は手に汗握るものだろう。
そして今作はセオ回である。
セオの心情がよく描かれており、最後のシーンなどは涙なしでは読めない位だった。
続きが気になる今作の終わり方だが、シリーズを通してそうであるが、今作では特に言葉の情報量が多く、わかりにくい部分も多いなと感じた。
自分の理解力不足や、語彙不足が原因だろうが、もう少し分かりやすいといいのにと思いつつも、シリーズのファンとして今作も見所が多く、面白い作品であることに間違いは無い。