女性ペアが描く宇宙漁師の物語。

ツインスターサイクロン・ランナウェイ


ツインスターサイクロン・ランナウェイ

小川 一水著

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小川 一水 著

異例の女性ペアが織りなす、未知なる宇宙の冒険譚

人類が宇宙に進出した遠くの未来。

移民船団は新星系に到着し、周回者を名乗っていた。

巨大ガス惑星の軌道上都市型宇宙船に住む周回者たちは生き残るために漁に出る。宇宙を泳ぐ巨大な魚は昏魚(ベッシュ)と呼ばれ、人類にとって大量の資源を得る貴重な存在だった。漁をするには男女の夫婦でなければならない。

漁師のテラは、相性の良い男性を見つけられずにいた。

試し打ち(お見合いみたいなもの)をしてもフラれてばかり。規格外の背丈のテラは実力はあるのに、ペアを組めないでいた。その彼女のもとに一人の小柄な女性が現れる。ダイオードと名乗る女性はテラとのペアを望む。女ツイスター(操縦士)であるダイの頼みを断れず、テラはペアを組むことに。ダイは家出をしてきた氏族の者だった。

本来女同士での漁は認められないが、私用であれば漁管の管轄外であり、かくして異例の女性ペアで漁に出ることに。

二人はかつてない漁獲を上げて一躍有名になる。

しかし二人は追われたりトラブルに見舞われたりと一筋縄ではいかない。

女性ペアの漁の行方は?

この作品は百合 SF だ。キャラ二人とこの世界の設定は魅力でいっぱいである。

性格も体格も正反対の二人が織りなす会話も面白い。

女性が活躍する社会というものをこの作品では体現している。

魅惑的な宇宙を舞台に、二人の女性が躍動するスピード感のある冒険 SF に仕上がっている。

とても読みやすく SF 初心者にもお勧めである。