その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-005 煩いモーメント⑥(34)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-005 煩いモーメント⑥(34)

音乃木坂図書室 司書

ことりが口を開いた。

「 でもお母さん、ゲストはA-RISEだって聞いたよ。のぞみちゃんが直接ツバサさんから聞いた話だし、間違いないと思うけど…」

理事長はうなずいて答える。

「えー、その話も聞いているわ。A-RISEがゲストと言うのは間違いないわね。ただし、そのA-RISEがゲスト出演することに関して1つの条件を出したらしいの」

全員の頭の中にまさか…と言う思いが過ぎる。

「まさかその条件って...」 穂乃果はそれを言葉にしていた。

理事長は皆の顔を見回す。

もう皆が勘づいただろう。

「えー、そうよ。A-RISEが出した条件、それがμ'sとの共演と言う事ね」

その言葉を聞いて6人は言葉を失うかのように押し黙ってしまう。

まさかのA-RISEからの共演オファーとも言える状況に。

さらに理事長は続ける。

「運営としてはラブライブに大きく貢献してくれたA-RISEとμ'sの両方にもともと出演してもらいたかったみたい。でもμ'sは3月をもって活動を終了すると宣言していたから、μ'sのゲスト出演については当初は断念してたらしいわ」

μ'sは多くのメディアやスクールアイドルが集まった3月末のサニソンライブの時に活動終了を宣言していた。

それを知っていた運営もμ'sには出演オファーを出さなかったのだ。

だがしかし、それはA-RISEの思惑により大きく予定変更せざるをえない状況が生じてしまったのである。

「A-RISEに出演依頼をしたらμ'sとの共演て言うとんでもない条件を出されてしまって運営も相当焦ったのでしょうね。

それで慌てて音乃木坂に急遽μ'sの出演依頼を…いや、復活依頼と言うべきかしらね。頼まざるをえなくなったのでしょうね」

理事長により突然告げられた現実…
μ'sの残されたメンバー6人は何度も自分の心に問いかけていた。

皆で、9人で終わりと決めたμ's。

しかしこうして出演依頼があり、μ'sを今でも待ち望むたくさんの声がある。

自分たちはどうすれば良いのだろうかと…

「運営からμ'sの出演に関して、1週間位で返事をもらいたいって言われたわ。時間が短くて申し訳ないと運営も言ってたけど、それは準備もあるから仕方ないわね。絢瀬さん達がもういないから色々と大変かもしれないけど、μ's出演の件みんなで考えてもらえないかしら」

理事長の言葉に皆が沈黙する中、穂乃果だけが即座に返事をする。

「はいわかりました週間以内に必ず返答します」

おそらくこの時、誰1人として冷静ではなかっただろう。

しかし、穂乃果ははっきりと理事長に答えたのであった。

μ'sを作った張本人である穂乃果はきっと誰よりもμ'sに対する思いは強いはずだ。

だからこそ逆にいちど決めた決心を覆すのは容易ではないだろう。

μ'sに対する責任を誰よりも感じていた穂乃果なのだから…

理事長室を出た6人、ことりがぼそっと穂乃果につぶやいた。

「なんだか大変なことになっちゃったね、穂乃果ちゃん…」

「うんそうだねμ'sは終わりって決めたのにね」

神妙な口調のことりに対し、対照的に明るい口調で穂乃果は返す。

穂乃果以外の5人は明らかに理事長から伝えられたμ's復活について動揺を隠しきれないでいた。

穂乃果もそうであろうはずであるが、その心境は計り知ることができなかった。

「でも実際どうするつもりなの穂乃果?」

真姫の問いかけに穂乃果は少し間をおいて一息ついた。

そして皆に振り向き、笑顔で答える。

「今ここであーだこうだ言っててもしょうがないよね。でも1週間以内には返事をしないといけないから、一読人全員で集まって相談しよう。これは私たち6人だけでは決められないよ。絵里ちゃん、にこちゃん、希ちゃんの3人の意見や気持ちも色々とあるだろうから。だから9人で話し合って、全員で答えを出そう」

「それもそうね、穂乃果の言う通りね…」 真姫が言った。

そう、これは6人だけで決められることでは無い。

全員で終わりと決めたのだ、もし仮にμ'sを復活させるにせよ、9人全員が納得した上でないと意味は無い。

「でも正直驚きました。A-RISEからのオファーだなんて…」 海未が言った。

その言葉に皆がうなずく。 さらに凛がつぶやいた。

「μ'sの復活か…どうなるのかな…」 その言葉の意味は皆が理解していた。

やや重たい空気が漂っていたがそこを花陽が部長らしく切り上げた。

「さぁほらみんな!穂乃果ちゃんが言った通りだよ。今日はもう悩んでたってしょうがないよ。

ほら、屋上に行って練習するよ。真姫ちゃんが6人での新しい曲作ってきてくれたんだから!」

この時に端4一6人は皆思っている事はきっと同じだったであろう。

口に出さずとも皆の思っていることがわかる…いつしか穂の川行った。

ずっと一緒にいるとお互いの考えていることがわかると…
そんな言葉が脳裏を過ぎる。

だがそれがわかっていても口に出すものはいなかった。

それだけ通じ合っている6人なのである。

屋上へと向かう6人、海未は切り替えてみんなに言う。

「新しい曲の振り付けを考えてきましたので、今日はその練習をしましょう。

細かいところの修正や微調整変更点とかありましたら、皆さん手伝ってくださいね」

同じくことりも気持ちを切り替えていつもの口調で言う。

「練習の後に一応衣装のサイズ合わせさせてね。特に穂乃果ちゃんと花陽ちゃんよろしくね」

「ちょっとことりちゃん、それじゃ私が太ったみたいじゃん」

「まぁ穂乃果は前科があるからしょうがないわね」すぐ真姫がツッコミを入れる。

それを見て皆がクスクスと笑っていた。

μ's復活の話に動揺した6人であったが、そこにはもういつもの6人がいた。

いつもと変わらない6人。

だが確実に6人の中にμ's復活と言う思いは渦真姫いていた。

μ'sはもう終わりと全員で決めた。

しかし思いもよらぬ運営からのオファー、その内容はA-RISEからの共演依頼…

6人の気持ちは大きく揺れ動いていた。

EP-006へと続く

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