日向夏(著)
再び後宮へと戻ってきた猫猫。
後宮内では女官たちの識字率向上の話があがっていた。
猫猫も女官の小蘭に読み書きを教えていた。
後宮では壬氏の思惑通りに字を覚えようとするものが増え手習所(学校)を作るなど、学ぶ場所の整備が進められていた。
そんな中で毒茸を食べて死んだ中級妃に関する事件が発生する。
猫猫は死亡した姿に違和感を覚えて、事の真相を探っていく。
また他国から来た特使からは、ある要求をされる。
それは何十年前かに曾祖父が見たという絶世の美女に会いたいというものだった。
そんな昔の話を思うが、その美女というのは、猫猫も良く知る、花街のやり手婆の若き頃の姿だった。
すでに70を超える老婆をさすがに特使の前に出すわけにはいかない。
そこで代わりを務めることになったのは美しい見た目の宦官壬氏だった。
他にも宮内では様々な女たちの思惑、妬み、憎しみが渦巻、さらに狩りに誘われた壬氏とともに避暑地へ向かった猫猫だったが、命を狙われてしまう壬氏...
宮内でも外でも事件が多発していく...
シリーズ第3弾。
今作冒頭と最後で壬氏の正体が明らかになりつつある。
宦官であるはずの壬氏は実は...
この先の展開が楽しみだ。
今作も猫猫のツンデレっぷりは健在で、欲しいものを手にした時のデレ具合のギャップが良い。
いたるところで女たちの思惑や陰険さが見え隠れする中で、続々と事件を解決していく猫猫の姿は実に爽快である。