その後のラブライブ

ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-006 美しく輝くために①(35)


ラブライブの続きを勝手に考えてみる~EP-006 美しく輝くために①(35)

音乃木坂図書室 司書

時は少しだけ遡り4月の中頃ー

アキバには無数のカフェがある。

大手チェーンの有名カフェであったり、絵里と希が行きつけの昔からあるレトロなカフェであったり、メイドカフェネットカフェ、アイドルカフェ等々、その形態は多少多少多様である。

近年では人気アニメとコラボしたコラボカフェが人気であったりと、この街でカフェに困る事は無いだろう。

そんな多数あるカフェの中でμ'sの億人がよく利用しているカフェがある。

1つは大通りにあるカフェだが、ここは人通りも多く、店の外からも店内の客席が丸見えのため、変装していないとすぐにばれてしまう。

そしてもう一つはUTエックス高校のビル1階に入っている有名チェーン店のダリーズカフェと言う店舗である。

ここは店先がオープンテラス席となっているのだが、道路からは少し内側の敷地内と言うのと、大通りの1本裏の通りと言うことで比較的目立たない場所なのだ。

今日このカフェのオープンテラス席の一番端の席では、何やら悩んでいるらしい3人の女性の姿があった。

「うーん…何にしようかしら…」

サングラスをした金髪の女性がつぶやく。 絵里である。

「そうねぇ…どうしようかなぁ…」

黒いニット帽に大きなサングラスをした女性もつぶやく。

ニット帽からは赤い髪の毛が見えている。 真姫である。

何かを考えている2人は悩んでいた。

そこに2人の正面に座る女性が口を挟む。

「もうしょうがないわねぇ、私が決めてあげるわ」

キャップ帽をかぶり、サングラスをしマスク姿の女性。 もはや誰だかもわからないが、にこである。

だがにこの発言に2人は取り付く島もない態度である。

しかしにこは構わずに話を続ける。 さすが強メンタルのにこである。

「こんなのはどう?にこと愉快な仲間たちっていうのは?」

「……」絵里と真姫は見事なシンクロ率を見せ、にこの言葉をスルーする。

だがにこもこんなことではめげたりしない。

「じゃぁさぁ、これは?宇宙ナンバーワンにこニーズ!」

「……」 再び絵里と真姫は素晴らしい同調を見せ、にこをスルーする。

「あ、これなんてどうかな絵里?」

「何何?そうね、なかなかいいかもね真姫の案」 にこをシカトし、2人だけで話を進める絵里と真姫。

それを見てさすがの日向も堪忍袋の緒が切れたのであろう、2人に対して噴火する。

「きぃぃぃぃー、ムシするなー」それでもスルーする絵里と真姫。

この2人もなかなかに折れようとしない。

だがにこもあきらめない。

「もういいわ。ラブニコニーズにしましょ!」

そこへようやく真姫が反応を見せる。

「はいはい。そうねにこちゃん。よかったわね」

まるで他人事のように馬鹿にした冷たい反応の真姫。

さらに…「ないわ」たった3文字で全否定する絵里。

「キーいい、あんたたちね!やる気あんの!?」

「それよりにこちゃん何をその格好は。もう誰かもわからないし、マスクしてどうやってそのタピオカミルクティー飲むのよ…」

「そんなの決まってるじゃない、こうするのよ」

と言ってにこは胸にマスクを少しだけ横にずらしストローで飲んでいた。

「うまいわね…」なぜか感心する絵里。

誰も気づいていないが、絵里は返送する際はにこを参考にしていた。

「そんなにかわいい服着てるのに首から上のせいで台無しじゃないの」

「ん?今なんて言った真姫?もう一回言って」

「えー、そんなにかわいい服なのにって言ったけど何?」

「もう、かわいいなんて照れるじゃないの!私がかわいいって?

まぁかわいいのは当然だし、誰から見てもかわいいのが私だけど、改めて言われると少し恥ずかしいわね。

でも、それがスーパーアイドル宇宙ナンバーワンアイドル矢沢にこの宿命ね。

だから変装はしょうがないでしょ。だって私だってばれたら大騒ぎになっちゃうじゃない」

相変わらずおしゃべりなにこである。

「よく喋るわねにこ」

絵里はいつも通りのにこに対し、いつも通りの反応で対応する。

だが真姫は言い返す。

「にこちゃんうるさい。腹がかわいいって言っただけで、どうしてそこまで拡大解釈できるわけ?頭の中どうなってるのよー?!

一度うちのパパの病院に行きなさいよ。MRIで検査してあげるわ」

「しょうがないじゃない。それが真実なんだから。私は宇宙ナンバーワンアイドルなの。みんなが憧れるスーパーアイドルなのよ。ていうかM&Iって何よ!」

「M&Iはアメリカのチョコよ!どう聞いたらMRIがM&Iになるのよ。イミワカンナイ!やっぱりにこちゃんの頭の中はお花畑ね」

「ほっときなさいよ!知らないものは知らないのよ。お花畑って!?それは見た目も中身も花のように美しいって意味かしら?」

「はぁー…にこちゃんには何を言っても無駄ねー…」

「何を失礼ね。前にも行ったけど、あんたはもう少し先輩を敬いなさいよ!」

にこっと真姫のこの言い争いは10分近くも続いていた。

さすがの絵里も しびれを切らして一言つぶやく。

「相変わらず仲の良いカップルだね」

その瞬間、にこと真姫は美しいハーモニーを奏でた。 「違う!」

2人揃って全否定するがさらに絵里は続ける。

「なんでそんなに2人は仲良いの?μ'sの時からそうだったけど、いつもイチャイチャしてるよね2人は」

「してない!」 再びにこと真姫はシンクロしていった。

「でもさぁ、例えば互いにどちらかが男だったら絶対に付き合ってるでしょう。にこと真姫は」

「それは…」にこと真姫は再々度声を揃えて言った。

この質問には多少悩む2人であったが、そこは否定しないんだと絵里は思っていた。

この3人、だいぶ話がそれているようだが、今日はどうやら何かの打ち合わせのために集まっていたのだ。

しかし案の定すでに1時間以上も経過しているにもかかわらず、全く話の進展がなかったのである。

続く

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