宇野 朴人(著)
リヴァーモアにより骨を奪われた生徒会統括のゴッドフレイ。
骨とともに霊体まで損なわれてしまっていた。
この状況で完治まで長引けば、決闘リーグはおろか、選挙戦にまで大きな影響が及んでしまう。
すぐに直す方法はただ1つ。
奪われた骨を取り返すのみ。
生徒会の仲間は、ゴッドフレイの骨の奪還作戦のため、緊急招集を行った。
そこには決闘リーグ本選出場者の3年生も含まれていた。
オリバー、ナナオ、ユーリィを始め、リーグ戦で戦った同級生の面々も何人か含まれている。
ゴッドフレイの支持者で3年生の実力上位者であり、生徒会から見て戦力になると見込まれた者たちだ。
とは言え3年生に求められるのは捜索であり、あくまでリヴァーモアと戦うわけではない。
見返りとして3年生チームには上級生1人が必ずつき、上級生からの指導も受けられ、かつ多額の報酬も用意された。
かくして3年生数名もゴッドフレイの骨奪還作戦に加わり、地下迷宮の放棄区画へと突入した。
そこはリヴァーモアによって多数の死者がさまよう場所と化していた。
オリバーたちを襲う多くの骨獣、古代秘術で作られた無貌(むぼう)の古人。
それだけでなくリヴァーモアの使い魔以外にも旧生徒会陣営への妨害工作も加わり、混沌と化していく。
一方骨を抜かれた状態で、ゴッドフレイは決闘リーグに挑むが、弱っているのを悟られ、集中放火を浴びてしまう。
リヴァーモアは人間1人分の骨を集めていた。
その目的は彼が担ぐ棺にあった。
棺の真実を知ったオリバーらはついに死霊使いと対峙する…
シリーズ第8弾。
今作ではついに謎の多かったリヴァーモアのあれやこれやが明らかになる。
死霊の王国で繰り広げられる戦いは見物である。
自分の背負った運命に向き合い、死霊使いとして恐れられていたリヴァーモアだが、真実がわかったときには一気に印象が変わり、約束を果たして別れを迎えたシーンは感動してしまった。
この先オリバーの復讐はどうなるか、続きが楽しみな作品だ。